インビジブル・マン

分 類サイエンス・フィクション
名 称 Invisible Man(インビジブル・マン)《見えない人間》【英語】
透明人間(とうめいにんげん)【日本語】
容 姿全身が透明で目に見えない。全身、包帯を巻いていたり服だけが動いていたりする。
特 徴全身が透明で目に見えない。
出 典H.G.ウェルズ『透明人間』(1897年)ほか

インビジブル・マンのイラスト

全身が透明で目に見えない!?

インビジブル・マン、あるいは透明人間は全身が透明であるため、目には見えない。1897年にハーバート・ジョージ・ウェルズがSF小説『The Invisible Man(透明人間)』に登場させた。透明人間は姿が見えないため、衣服だけが奇妙に動いていたり、手に持ったものだけがふわふわと宙に浮いて見えたりする。物語の中では全身に包帯を巻いて透明であることを隠していたりする。また、しばしば、黒いサングラスにロングコート、帽子というのが透明人間のステレオタイプな描写になっている。

ウェルズの作品では、透明になる薬品を開発した科学者がそれを利用してさまざまな事件を起こす。作中では空気と屈折率の等しい肉体を持つ人間という設定になっていて、実体はあるため、その身体に触れることはできる。また、タバコを吸えば、煙が気管を通るのが見える。

なお、透明人間は全身が透明であるため、眼球の水晶体や網膜なども透明になっていると考えられる。そうなると、理論上、眼から入る光が網膜上で像を結ぶことができないため、透明人間は視覚を持たないなどと指摘されている。姿が見えないことを利用して更衣室を覗いてやろうなどという不埒な考えは、どうも、うまくいかないらしい。そのため、ウェルズの小説では、眼の部分だけは虹色に輝いていたと説明されている。

姿を見えなくする魔法!?

ちなみに道具や魔法などを用いて透明になるという発想は古くからある。古代ギリシアではハーデースの帽子をかぶると姿が見えなくなるとされた。日本でも天狗の隠れ蓑をまとえば姿を隠すことができるとされている。中世ヨーロッパの魔法書『レメゲトン』にも、人間の姿を見えなくする能力を持った悪霊たちが何匹か記載されている。また、原始的な宗教では、神さまを不可視の存在として崇拝しているケースもある。

透明人間は空気の精霊!?

ウェルズの作品では薬を使った後天的な透明人間であるが、近年では、生まれながらに透明な肉体を持った種族として描かれることも多い。『ダンジョンズ&ドラゴンズ』には「インビジブル・ストーカー(Invisible Stalker)」という名前で類似の存在が登場するが、空気の精霊として描かれている。『ウィザードリィ』では「ナイト・ストーカー(Night Stalker)」の名前で登場する。多くのRPGでもこのような設定が踏襲されていることが多い。

《参考文献》

Last update: 2022/08/09

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