黃袍怪(ホアンパオグワイ)

分 類中国伝承(西遊記)
名 称 黃袍怪〔huángpáoguài〕(ホアンパオグワイ)【中国語】
黄袍怪(こうほうかい)【日本語】
容 姿魔王。黄金の鎧をまとい、青い顔、赤い髪とひげ、牙を生やす。
特 徴宝象国の王女をさらって妻にし、その罪を三蔵法師になすりつけようとした。孫悟空に退治される。
出 典『西遊記』(16世紀)ほか

王女に恋して下界に降りてきた星官!?

黄袍怪は『西遊記』に登場する魔王。黄金の鎧を身に着け、顔は青く、牙を生やし、髪とあごひげは赤い。碗子山波月洞で妖怪たちを従えていた。あるとき、三蔵法師は孫悟空が人間を殺したという八戒の嘘に騙されて、悟空を破門にし、悟空なしで天竺を目指して旅をしていた。三蔵が一晩の宿を求めて宝塔を訪れると、宝塔に巣食っていた黄袍怪に捕えられた。しかし、黄袍怪にさらわれて妻になっていた宝象国の王女・百花羞が取りなしてくれ、三蔵法師は逃がしてもらう。三蔵は百花羞から預かった手紙を宝象国に届けると、宝象国の国王は女王を助けるように八戒と悟浄に依頼する。二人は黄袍怪と戦うが、悟浄は捕らえられ、八戒は逃げ出した。黄袍怪は人間に化けて宝象国へ行き、三蔵法師こそが王女をさらった虎だと言って、妖術で三蔵法師を虎に変える。八戒が悟空に助けを乞い、悟空が百花羞に化けて黄袍怪に近づいて黄袍怪と戦って倒す。黄袍怪の正体は二十八宿の星官の一人、奎星で、実は天界で恋した侍女が宝象国の王女に転生したため、下界にやってきてさらって妻にしていたのである。結局、奎星は天界に連れ戻された。

《参考文献》

Last update: 2020/09/06

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