ヒッポグリフ
分 類 | 近代創作 |
---|---|
Hippogriff(ヒッポグリフ)【英語】 | |
容 姿 | ワシの翼と前半身とウマの後半身を持つ怪物。 |
特 徴 | 絶対に生まれるはずのない存在。 |
出 典 | アリオスト『狂えるオルランド』(1516-1532年)ほか |
決して生まれ得ない怪物!?
ヒッポグリフはグリュプスが牝ウマを孕ませてうまれる怪物。ワシの翼と前半身、ウマの後半身を持っている。元来、グリュプスはウマが大好物だとされている。そのため、ウェルギリウスは『牧歌』の8巻の中で次のように説明している。
Iungentur iam grypes equis, aevoque sequenti
cum canibus timidi venient ad pocula dammae.
グリュプスと牝ウマとの交配というのは、
猟犬とシカが一緒に水を飲むというのと同じで、永遠に起こらないことだ。
(ウェルギリウス『牧歌』8巻より)
これに着想を得た16世紀のルドヴィーコ・アリオストは『狂えるオルランド』の中で、本当にグリュプスと牝ウマを交配されて、あいのこの生き物を登場させた。それがヒッポグリフである。ヒッポグリフは英雄ルッジェーロを背中に乗せてヨーロッパ中を飛び回った上、騎士アストルフォを乗せて月まで飛んでいった。
それ以来、多くのファンタジー小説やゲームの中で取り扱われるようになった。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2022/05/24