クムテジ

分 類朝鮮伝承
名 称 금돼지geumdwaeji〕(クムテジ)《金のブタ》【朝鮮語】
容 姿金色の毛を生やした巨大なブタの怪物。
特 徴洞窟に棲み、人間の女性をさらい、喰らう。
出 典『崔致遠傳』(16世紀頃)

人喰いの金色のブタの怪物!?

クムテジは朝鮮半島の伝承に登場する金色の毛を生やした巨大なブタの怪物である。馬山(マサン)沖の月影洞(ウォリョンドン)に棲む人喰いの怪物で、女性をさらって喰らい、あるいは召使いとして使役した。怪力があるだけでなく、さまざまな呪術を用い、変身能力にも長けていた。身体からは金色の光を放っており、クムテジがその毛を引き抜いて撒くと、辺りには霧が立ち込め、クムテジが鳴くと、地面が揺れるほどの轟音が響くとも言われている。おそらくは、四足歩行のブタの怪物だと想像されるが、近年では二足歩行をするブタ人間のように描かれることもある。クムテジは洞窟の奥に金銀財宝を隠し持っているようだ。

『崔致遠傳』(16世紀頃)によれば、高敞(コチャン)郡のある村では、郡守が赴任するとその妻が消えるという奇妙な事件が立て続けに起こっていた。あるとき、崔という郡守が赴任したが、彼は妻を守るためにある策を弄した。妻のチマ(スカート)の裾に絹糸を縫いつけておいたのである。翌日、彼の妻は姿を消したが、郡守が絹糸を辿っていくと、洞窟に辿り着いた。そこで妻がクムテジと眠っているのを発見した。郡守はそっと妻を起こすと、クムテジの弱点がシカの血と皮であることを聞き出した。そして、郡守は静かに洞窟から出るとシカを捕らえ、眠っているクムテジの額にシカの皮を貼りつけた。すると、クムテジは絶命したという。妻はその後、身籠って子供を生んだ。この子供は後の崔致遠(チェ・チウォン)で、有名な役人になったが、彼はクムテジの子だと伝えられている。

《参考文献》

  • 『한곡 요괴 도감』(著:고성배,2019年)(韓国語)

Last update: 2025/10/13

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