コググィ

分 類朝鮮伝承
名 称 거구귀geogugwi〕(コググィ)《巨口鬼》【朝鮮語】
청의동자cheongui dongja〕(チョングィ・ドンジャ)《靑衣童子》【朝鮮語】
容 姿巨大な口を持つ鬼。
特 徴口を開けて道を塞ぐ。
出 典『於于野譚』(1620年頃)ほか

口を開けて道を塞ぐ怪物!?

コググィは朝鮮半島の伝承の登場する謎の妖怪。漢字では「巨口鬼」と書いて、その名のとおり、非常に大きな口を持つ怪物である。上唇は天まで届き、下唇は地面に届くほどで、道の真ん中で口を開けているという。

15世紀の李氏朝鮮の時代に、シン・スクジュ(申叔舟)という人物がいて、官吏を志して友人たちと科挙を受けに行く途中、口を大きく開けたコググィが道を塞いでいたという。友人たちは巨大な怪物を見て恐怖で逃げ出したが、シン・スクジュは恐れることなく真っ直ぐに怪物の口の中に進んでいったという。すると、怪物は消えて、青い衣の少年が現れた。そして、一緒に連れて行ってくれるように頼んできた。シン・スクジュが承諾すると、その後、この少年は彼の後をついて回って決して離れなかった。そして、少年は吉凶を占い、シン・スクジュが最高の成績で公務員試験が合格できるようにさまざまな能力でサポートしたという。その後、シン・スクジュは朝鮮王朝の最高官職である領議政まで務めるが、この少年はシン・スクジュが亡くなる直前まで彼に仕えたという。少年の言うとおりにすれば、悪いことは起こらなかったし、船に乗れば海は穏やかになったという。

コググィはある種、勇気や心意気を試す存在なのかもしれない。

《参考文献》

  • 『한곡 요괴 도감』(著:고성배,2019年)(韓国語)

Last update: 2025/07/09

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