岸涯小僧(がんぎこぞう)

分 類日本伝承
名 称 岸涯小僧(がんぎこぞう)【日本語】
容 姿全身毛むくじゃらでおかっぱ頭。手足には水掻き。ギザギザの歯がある。
特 徴川辺で魚を喰う。近年ではギザギザの歯で何でも噛み砕く妖怪。
出 典鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』(1781年)ほか

ギザギザの歯で何でもバリバリと喰らう!?

岸涯小僧(がんぎこぞう)は日本の妖怪。鳥山石燕の妖怪画集『今昔百鬼拾遺』(1781年)の中之巻「霧」に登場する。全身が毛むくじゃらで、ニホンザルのような尾を持ち、手足に水掻きがついたおかっぱ頭の姿が描かれている。河童(かっぱ)にも似ているが、頭には皿はなく、背中に甲羅もない(河童にもいろいろな種類があるが!)。

鳥山石燕の解説では、岸涯小僧はやすりのような歯を持ち、川辺で魚を捕って喰らうと説明されている。鳥のガンの群れが斜めに並んで飛ぶような階段状の構造を雁木(がんぎ)と呼ぶが、この妖怪の歯がギザギザとして雁木のようになっていることから、「ガンギ」小僧と呼ばれていると解釈されることもある。

鳥山石燕の描く岸涯小僧

岸涯小僧は川辺に居て魚をとりくらふ その歯の利き事やすりの如し

(鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』中之巻「霧」より)

『ゲゲゲの鬼太郎』や『ぬらりひょんの孫』などの近代の創作では、頑丈な歯でいろんなものをバリバリと噛み砕くことを個性とする妖怪として登場することが多い。

なお、『今昔百鬼拾遺』以外には岸涯小僧の名前は確認されていないので、鳥山石燕の創作である可能性も指摘されている。その姿から、山口県の河童や山童(やまわろ)の一種であるエンコやタキワロと同一のものとする説もある。

《参考文献》

Last update: 2024/10/03

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