カンギル

分 類朝鮮伝承
名 称 강길ganggil〕(カンギル)《羌吉》【朝鮮語】
화룡hwalyong〕(ファリョン)《火龍》【朝鮮語】
容 姿ウマの尾のような姿。
特 徴風に乗って移動し、進路上にあるものを根こそぎ破壊する。
出 典麟坪大君『燕途紀行』(1656年)ほか

進路上にあるものを根こそぎ破壊する怪物!?

カンギルは朝鮮半島に伝わる怪物。背丈は人間の2~3倍ほどもあり、ウマの尾のような姿でひらひらと空を舞う。風に乗って移動して、進路上にあるものを叩き壊し、強風を引き起こして吹き飛ばす。家々は破壊され、人々は気を失う。森に入れば木々を根こそぎにして、通り過ぎた跡は荒地となる。 「火龍(ファリョン)」とも呼ばれていたようだ。李氏朝鮮時代に麟坪大君(インピョンデグン)の紀行文『燕途紀行(ヨンドギヘン)』(1656年)の中で、北朝鮮の平安北(ピョンアンブク)道の義州(ウィジュ)郡や龍川(リョンチョン)郡に現れたという記録が残っている。

カンギルの起源は流れ星である可能性が指摘されている。尾を棚引かせた流れ星が地上に接近して大爆発が起き、森林が荒廃した出来事を表していると説明される。あるいは北朝鮮と中国の国境にある白頭(ペクトゥ)山(標高2,744メートル)の噴火に由来するとも言われている。

《参考文献》

Last update: 2025/06/01

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