飛殭(フェイジアン)

分 類中国伝承
名 称 飛殭(飞僵)〔fēi-jiāng〕(フェイジアン)【中国語】
飛僵(ヒキョウ)【日本語】
容 姿腐らない死体。清の時代の正装で描かれることが多い。
特 徴神通力を得て空を飛べるようになった殭屍(ジアンシー)。
出 典

殭屍、神通力を得て空を飛ぶ!?

キョンシーといえば日本でも映画『霊幻道士』や『幽幻道士』などで非常に有名である。このキョンシーは広東語の表記で、中国語では殭屍(ジアンシー)と発音される。殭屍はいつまで経っても腐らない死体で、昼間は棺桶の中で眠っているが、夜になると動き出し、人を襲う。中国では地中に埋葬された死体が何年経っても腐ることなく変化しないものがあると伏屍と呼んだ。やがてこの伏屍が大地から精気を吸って動き出すようになる。これが遊屍で、まさに殭屍のことである。この遊屍がさらに年月を経て特別な神通力を得るようになると、遂には空を飛ぶようになる。それが飛殭である。まさに飛殭は空飛ぶキョンシーなのである。

河北省安州のある村では、近くの山中より飛来した飛殭によって被害を受けていた。空を飛び、子供をさらっては喰らう。村人たちは飛殭の棲んでいる洞窟を突き止めたものの打つ手がない。そこで道士を呼んできて退治を依頼することにした。道士の指示のもと、飛殭退治が始まった。まず道士が術で飛殭を飛べないようにし、村人たちは武器を手に飛殭と戦った。飛殭は怪力で村人たちは歯が立たなかったが、やがて夜が明け、その光に照らされると飛殭は倒れ、退治された。

《参考文献》

Last update: 2022/02/27

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