ドゥエンデ
分 類 | フィリピン伝承 |
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Duwende(ドゥエンデ)【タガログ語】 | |
容 姿 | 小人の老人。ただし、子供にしか姿は見えない。 |
特 徴 | 家に棲みつく。丁寧に扱うと家を守ってくれる。 |
出 典 | - |
合言葉は「タビタビポ」!?
フィリピン人は夜中に掃除をしながら「タビ・タビ・ポ(Tabi Tabi Po)」という呪文を唱えることがある。これは《退いてください》という意味のタガログ語。それというのも、しばしば家の中にはドゥエンデという小人が棲みつくことがある。姿は子供にしか見えないが、これをうっかり蹴っ飛ばしたり、踏んづけたりすると、病気になるなどの呪いをかけられてしまう。けれど、ご飯を与えたり、「タビ・タビ・ポ」みたいな声掛けをして大切に扱うと、家を不幸から守ってくれるという。フィリピン版のザシキワラシみたいな存在で、棲みついた家を守護してくれる。
ときどき、家の物を隠すなどのいたずらをする。でも、探すのをやめると、自然と元の位置に戻してくれる。
子供と遊ぶドゥエンデ!?
ドゥエンデはしばしば子供たちと遊ぶ。大人にはその姿が見えないので奇異に映るかもしれないが、子供はドゥエンデと友達になり、いろいろと話をして遊ぶ。イマジナリー・フレンドのような存在だ。しかし、ときには危険を知らせてくれることもあり、そのお陰で家族が助かるような場合もある。そういう体験を何度も繰り返していくうちに、親もドゥエンデの存在を信じざるを得なくなる。そして、あるとき、子供がドゥエンデの国に行くことを誘われたと言い始める。ドゥエンデの国に行ってしまったらもう戻れない。親は慌ててドゥエンデにやめるように懇願することになる。そして、お供えを与えることで子供を妖精の国に連れて行ってしまうのを断念させる。そんなことがあってからしばらくすると、子供はドゥエンデが見えなくなる。成長すると、子供はドゥエンデが見えなくなるようだ。
ドゥエンデはスペイン由来!?
ちなみに、フィリピンはスペインに植民地支配されていた歴史があるが、ドゥエンデはスペイン人たちがフィリピンに持ち込んだ言葉だ。スペインには、ドワーフの一仲間でドゥエンデ(Duende)という小人の伝承があって、これがフィリピンに持ち込まれたのである。スペインでは家に棲み着いて眠りを妨げたり、家具を動かしたりする厄介な存在である。
Last update: 2022/05/15