ドス・ムヘレス・デル・イルペ

分 類南米伝承(アルゼンチン)
名 称 Dos mujeres del Irupé〕(ドス・ムヘレス・デル・イルペ)《イルペの二人の女》【スペイン語】
容 姿肌を露出した二人の美女。イルペ(スイレンの仲間)の上に身を寄せて乗っている。
特 徴好奇心で近づくと水の底に沈められる。
出 典

巨大なスイレンの上の二人の美女!?

アルゼンチン北東部の湿地帯には、「イルペ」と呼ばれる巨大なスイレンの仲間が群生している。日本語では大鬼蓮(オオオニバス)とも言う。その丸い葉は直径2メートルほどで、葉の周りには20センチメートルほどの高さの縁があって、子供くらいなら乗っても沈まない。

ドス・ムヘレス・デル・イルペは、このイルペの群生する湿原に出現する妖怪である。その名は《イルペの二人の女》という意味で、言葉のとおり、イルペの上に二人の美女が身を寄せ合って乗っている。二人とも肌を露出させた格好で、物憂げな顔をしている。けれども、地元の漁師は彼女たちを見つけても決して近づかない。うっかり好奇心で彼女たちに近づこうものなら、その直前でカヌーごと水の底に沈められてしまうのである。

なお、この妖怪は『南米妖怪図鑑』でしか見かけないので、実態はよく分からない。

《参考文献》

  • 『南米妖怪図鑑』(文:ホセ・サナルディ,画:セーサル・サナルディ,ロクリン社,2019年)

Last update: 2022/02/05

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