テジョムオ
| 分 類 | 朝鮮伝承 |
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대점어 〔dae-jeom-eo〕(テジョムオ)《大点魚》【朝鮮語】 | |
| 容 姿 | 巨大なナマズ。 |
| 特 徴 | 海底の洞窟を出入りして潮の満ち引きを起こす。ときには時化(しけ)を引き起こす。 |
| 出 典 | 孫晋泰『朝鮮民譚集』(1930年)ほか |
潮の満ち引きを引き起こす巨大なナマズ!?
テジョムオ(大点魚)は朝鮮半島の伝承に登場する巨大なナマズの妖怪である。海の底の洞窟に棲み、洞窟を出入りすることで満潮や干潮を引き起こし、海中で暴れることで時化(しけ)を引き起こす。
『朝鮮民譚集』(1930年)は民俗学者の孫晋泰(ソン・ジンテ)が朝鮮半島各地の民話を集めたものだが、それによると、海底の洞窟には巨大なナマズが棲んでいて、この巨大ナマズが洞窟から出てくると、洞窟に水が入って、地上では干潮になるという。逆に巨大ナマズが洞窟に入ると、洞窟から水が押し出されて地上では満潮になるのだという。つまり、巨大なナマズのダイナミックな動きが潮の満ち引きを引き起こしていると考えられていたのである。
さらに、この巨大ナマズが身悶えして暴れると、海は荒れ、津波が発生するのだという。
ソン・ジンテはフィールドワークで民話を採集していたことで知られるが、このナマズが干満の原因となっている話は、1924年に慶北達城郡月背面上仁洞(現在の大邱(テグ))で、鄭常和(チョン・サンファ)という話者から聞き取った話として『朝鮮民譚集』に載せている。
ちなみに、フィリピンにも類似の伝承は残っている。タンバノカノという巨大なカニが海底の穴を出入りして潮の満ち引きを引き起こしているという。
なお、日本にも大鯰(おおなまず)の伝承があるが、日本の場合、大鯰は海ではなく地下深くに棲んでいて、地震を引き起こすと信じられている。
《参考文献》
- 『한곡 요괴 도감』(著:고성배,2019年)(韓国語)
Last update: 2026/01/12
