アリオク

分 類キリスト教魔法書文献
名 称 אַרְיוֹךְ‎ 〔’Aryōḵ〕(アリオク)【ヘブライ語】
容 姿黒い翼を持った天使のような姿の悪魔。
特 徴サタン陣営に加わって天使たちと戦った。個人的な復讐に協力してくれる。
出 典ミルトン『失楽園』(1667年)ほか

個人的な復讐を叶える悪魔!?

アリオクはジョン・ミルトンの『失楽園』でサタン陣営に加わっている堕天使のひとり。悪魔と天使の戦いでは、率先して戦場に躍り出るが、熾天使のアブディエルによって圧倒された。ヘブライ語で《獰猛な獅子》を意味する。

中世の悪魔学では復讐の悪魔として語られる。また、スラヴ語版『エノク書』では文書保存を担う天使として登場する。

コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』に描かれるアリオク

フランスの文筆家コラン・ド・プランシーが1818年にまとめた『地獄の辞典』は改訂を重ね、1863年の第6版ではルイ・ル・ブルトンの悪魔の挿絵が加わった。その中でも「アリオク」として紹介されている。

Arioch, démon de la vengeance, selon quelques démonographes; différent d'Alastor, et occupé seulement des vengeances particulières de ceux qui l'emploient.

ブルトンの描くアリオク

一部の悪魔学者によれば、アリオクは復讐の悪魔であり、(別の悪魔である)アラストルとは異なり、自分を雇った人間たちの個人的な復讐にだけ力を貸す。

(コラン・ド・プランシー『地獄の辞典』より)

《参考文献》

Last update: 2024/07/13

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