網剪(アミキリ)

分 類日本伝承
名 称 網剪(アミキリ)、網切(アミキリ)【日本語】
容 姿カニのようなはさみを持った妖怪。
特 徴不明。蚊帳や魚網などを切り裂くとされる。
出 典鳥山石燕『画図百鬼夜行』(1776年)ほか

蚊帳や魚網を切り裂く不気味な妖怪!?

網剪(アミキリ)は江戸時代の鳥山石燕の妖怪画『画図百鬼夜行』(1776年)に登場する妖怪。カニまたはサソリのようなはさみを持った姿で描かれるが、解説などは一切添えられていないため、実態はよく分からない。人間の髪を切る妖怪・黒髪切り(クロカミキリ)に似た妖怪だと考えられる。

昭和以降の妖怪関連書籍では、アミキリは蚊帳を切り裂いたり、漁師の網を切り裂いたりと悪さをする妖怪だと解説されている。作家・山田野理夫の『東北怪談の旅』では、山形県庄内地方の話として、アミキリが漁村の魚網をズタズタに切り裂いたため、網をすばやく家に隠して害を防いだところ、今度は蚊帳を切り裂かれて、全身を蚊に刺されたという物語を紹介している。おそらく、この物語は山田の創作だが、現代ではこのようなイメージが定着している。

《参考文献》

Last update: 2020/04/07

サイト内検索