アルマムーラ

分 類南米伝承
名 称 Almamula(アルマムーラ)《ラバの魂》【スペイン語】
容 姿黒あるいは暗い茶色のラバ。赤い目。鼻と口から炎を吐く。
特 徴夜中に炎を吐き、大きないななきをあげて疾走する。
出 典

夜中に炎を吐き、悲鳴をあげながら疾走する!?

アルマムーラはアルゼンチンやウルグアイなどに伝わる妖怪。黒あるいは暗い茶色のラバで、耳は長く、目は爛々と赤く光っている。夜中に山の中に現れ、口や鼻から炎を吐き出しながら駆け回る。嵐の日には町にもやってくるという。手綱用の黄金の鎖をジャラジャラとひきずる音を立てながら、大きないななきをあげる。いななきは、やがて女性の悲鳴のような声に変わるという。遭遇すると強く蹴られるという。案外、夜中に風の音が女性の声に聞こえたり、盛りのついた猫に驚かされたりする。こういうのは、ときにドキッとして恐ろしくなるので、真夜中に、アルマムーラが鎖の音を立てて、叫びながら疾走するのだから、とても怖い。

ちなみに、アルマムーラの正体は、1人の女性で、父親や兄弟と近親相姦し、神父とも身体の関係を持ったことから、死後、神の罰によって、呪われてラバの格好になっているという。彼女の呪いを解くためには、アルマムーラの耳やたてがみを聖水で濡らしたナイフで切ればよいとされている。

なお、ブラジルにはムーラ・セン・カベッサという類似の妖怪がいる。こちらは首のないラバで、首元からは炎が噴き上がっている。これらの南米のラバの妖怪は、スペインのカタルーニャ地方に中世から伝わるムラドナにその起源を求めることができそうだ。

《参考文献》

  • 『南米妖怪図鑑』(文:ホセ・サナルディ,画:セーサル・サナルディ,ロクリン社,2019年)

Last update: 2021/12/04

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