2025年5月3日 本日より韓国に行きます!!
息子のツクル氏が韓国に行くプログラムがあって、それに同行する。本日より4日間。特に観光をするわけではなくて、交流プログラムだから、あちこちには行かない。でも、ここのところ、鋭意、朝鮮の妖怪を蒐集しているので、何かいい書籍(韓国語の)があればゲットしてきてもよいかなと思っている。最近、韓国も妖怪ブームというのか、子供向けの妖怪事典みたいなのを作る機運があるので、そういうのもアクセスできたらいいなあ。普通の本屋で買えるかなあ。どうだろう。
2025年5月7日 だからいいんじゃん!
昨晩、韓国旅行から帰ってきた。結局、妖怪の本に関する収穫はなし。もう、ね。ずぅっと子供たちの相手をしていた。買い物の時間も子供たちの引率をしていた。だから、本屋に立ち寄って店員さんにヒアリングする時間も取れなかった。本当は韓国語で「요괴책이 있나요?(妖怪の本はありますか)」と問う準備は万端だったんだけど。本屋にも立ち寄ったんだけど。でも、その時間的かつ精神的な余裕がなかった。
でも、面白かったのは、子供たちの発想。子供たちは日本の漫画(ワンピースとか呪術廻戦、スパイファミリーなど)を探していたこと。確かに韓国語の漫画なんて、とてもよいお土産になる。本屋に行ったら、ワンピースが1巻から最新刊(111巻)までがちゃんと並んでいた。コナンも1巻から107巻までが並んでいた。意外と韓国は先進国だ。途上国だと、最初の数巻しか置いていない。呪術回線もスパイファミリーも最新巻までちゃんと置いてある。凄い。
それからもうひとつ。子供たちがポケカを欲したこと。必死におもちゃ屋を探して、店員に確認した。子供たちは喜び勇んで大量のポケカを買っていた。「それ、韓国語だぜ?」と言ったら、「だからいいんじゃん! 珍しいじゃん!!」との回答。なるほど、そのとおりだ。韓国でしか買えないもんね。そういう価値の見出し方は素晴らしいよね。
そういう意味で、子供の買い物に散々付き合わされた結果、自分自身は韓国の喫茶店に行くことも、市場に行くことも、そして妖怪の本をゲットすることもできなかった。でも、まあ、そういうもんだよね。とほほ。
2025年5月11日 灯翠さんの狂気の表情を堪能せよ!
Adoがプロデュースするアイドル「ファントムシータ」が去年の10月にアルバム「少女の日の思い出」を発売してから、ライブ活動なんかをやっていて、新曲が途絶えていた。久々に新曲が出たと思ったら、チャラン・ポ・ランタンの小春さんによる楽曲提供だ。
実はファントムシータのデビュー曲「おともだち」も小春さんの楽曲である。だから、久々にもう一度、小春さんが出張ってきた感じ。あの当時は顔を明かさない状態でのデビューだった。MVも顔は出ていない。あのデビューは衝撃的だった。アイドルなのに、顔出しなしで、楽曲のパワーで勝負している感じがあった。2作目の「キミと××××したいだけ」で、ボカロPのきくお氏を起用して(それもAdoっぽいけど)、そこで初めて顔出しのMVとなった。約1か月間は、歌い手の顔が分からない状態で、いろいろと想像しながら、応援するというスタイルは衝撃だったし、顔出ししたときのヴィジュアルの高さや、ダンスまで踊れるところにも驚いた。
そうやって毎月楽曲がリリースされて、10月にアルバムが発売された。そして、今回はシングルとしては7曲目。相変わらず、小春さんの歌詞は狂気的だ。後半に向けての加速度が半端ない。オススメ。是非。
ちなみに、彼女たちのYouTubeにはライヴ映像もいくつか載せられている。オーディションの課題曲は「Tot Musica」だったわけだが、ライヴのアンコールで「Tot Musica」を歌う彼女たちの姿も見ることができる。途中、Adoが降臨(当然、声だけだけど)するところは宗教のような様相を帯びていて、圧巻だ。
2025年5月21日 絵文字の歴史1:ファンタジィ事典の多言語化
本日、NTTドコモが「ドコモ絵文字」の提供を順次終了することを発表した。ひとつの大きな時代の終わりを感じた。
ボクは2009年からウェブサイト「ファンタジィ事典」を運営している。当時から妖怪の名前は原語表記することをモットーとしていた。古代ギリシアの妖怪なら古代ギリシア文字、聖書の妖怪ならヘブライ文字、シュメル神話の妖怪なら楔形文字。だから、いつだってコンピュータにおける文字表記との格闘だった。ミャンマー文字なんかは昔っから文字化けしていたし、楔形文字や古代エジプト文字、アヴェスター文字なんかもずぅっと課題だった。こういう世界各地の文字を、どうやったらウェブブラウザ上で文字化けせずに印字できるのか。そんなことに苦しんできた。
多分、大半の人には伝わらないと思う。それでも書いてみる。ボクは「ファンタジィ事典」をhtmlのタグ打ちで書いている。ソースを開いてもらえれば分かると思うが、世界各地の文字は数値文字参照(NCR)になっている。たとえば、古代ギリシア文字のα(アルファ)だったら「α」と書いている。ヘブライ文字も楔形文字もミャンマー文字も、みんな、こうやって数値文字参照で記述している。そして、文字コードはutf-8になっているので、別に数値文字参照しなくても直接、古代ギリシア文字を打てばいいじゃないかという声もあるかもしれない。でも、そうはいかない理由がある。
実は「ファンタジィ事典」は事典サイトなので、更新が面倒臭い。たとえば、新規で妖怪を追加することを想像してみて欲しい。たとえば、イギリス伝承の「アーヴァンク」を追加したとする。そうしたら、afanc.htmlという項目ができるだけでなくて、更新履歴のところにアーヴァンクが載る。五十音検索のア行にも載る。イギリス伝承の項目にも載る。それを全部、管理するのは難しい。若い頃にはデータベースという考え方がよく分かっていなかったボクは、それならばExcelで全て管理しようと決意した。メモ帳に妖怪の説明だけを書いて、Excelに紐づけて、全てExcelマクロでhtml化している。テキストファイルにhtmlの本文だけを書いておいて、後は全てExcelでhtmlに変換して書き出している。Excelの文字コードが基本的にはShift_JISなので、テキストファイルはShift_JISで、マクロで最後にutf-8に変換している。
……みたいな技術的なことを書くと意味分からんと思う人がいるかもしれない。でも、裏側はそういうことなのだ。WordPressなんかはphpファイルがデータベースにアクセスして、その場でhtmlを吐き出している。同様のこととして、ボクは箱庭形式で、デスクトップ上でExcelをデータベース的なものとして取り扱って、htmlを吐き出してサーバにあげている。
そんなボクからすると、絵文字の歴史というのは、まさに文字コードとの戦いの歴史だと認識している。現在、絵文字は国際社会に広く受け入れられている。「emoji(イーモジ)」などと呼ばれて、誇るべき日本の文化だとされている。オバマ大統領も2015年のスピーチの中で、日本由来のものとして、空手やカラオケ、漫画、アニメと並べて、絵文字を挙げているし、栗田穣崇氏が監修したドコモ絵文字は、2016年10月にニューヨーク近代美術館(MoMA)に収蔵されている。それでも、ボクは文字コードの歴史の観点では、日本の技術者たちの敗北だったと思う。……ちょっと思うところがありすぎて長くなりそうなので、絵文字の歴史の詳細については次回に譲りたい。(続く)
2025年5月23日 絵文字の歴史2:感情を伝えるには顔のシンボルが必要だ
5月21日の絵文字の歴史1:ファンタジィ事典の多言語化の記事の続き。
そもそも「絵文字」の話をする前に、絵文字前夜として「顔文字」の話をしてみたい。顔文字の誕生は1982年だとされている。最初の顔文字は「:-)」と「:-(」。笑った顔とむっつりした顔の2つである。
当時は現在のようなインターネットはなくて、会社や大学が独自のネットワークをそれぞれ構築していた。大学同士はかなりネットワークが繋がっていて、掲示板を介して大学間でやりとりがされていた時代だ。学生と教授、あるいは研究者同士で、掲示板上で意見交換をすると、頻繁に喧嘩になるという状況が起こっていたようだ。そこで、カーネギーメロン大学のファールマン(大学の情報科学の研究者)が顔文字の導入を提唱したのだそうだ。文字だけだと、それが冗談なのか本気なのか分からない。そのせいで喧嘩になる。冗談のときは笑った顔、マジな話のときはむっつりした顔。そうすると、掲示板上の喧嘩が減ったのだとか。文字だけだと気持ちが伝わらない。感情を伝えるのに、顔のシンボルが必要だということが判明したわけである。
顔文字は英語では「Emoticon(エモーティコン)」と命名された。emotion(感情)とicon(アイコン)のカバン語である。その後、日本で「絵文字」が発達していって、世界中で「Emoji(イーモジ)」として受け容れられていくわけだが、「絵文字」もemotion(感情)やemoticon(顔文字)と結びついていくので、素晴らしい偶然である。
ちなみに、日本では「(^_^)」が投稿されたのが最初で、1986年のことだったようだ。アメリカの顔文字は「口」で感情を表現し、日本の顔文字は「目」で感情を表現しがちだという論文もある。
2025年5月25日 絵文字の歴史3:ハートマーク事件とドコモ絵文字の誕生
5月23日の記事「絵文字の歴史2:感情を伝えるには顔のシンボルが必要だ」の続き。
人間のコミュニケーションの基本は「会話」だったはずだ。しかし、オンラインが普及して、文字だけでのコミュニケーションになると、感情が伝わらないので、喧嘩が増える。前回はアメリカの大学で、感情を伝えるために「顔文字」を導入した事例を紹介した。同様の現象は日本でも起こっていて、それを象徴する出来事が1998年の「ハートマーク事件」と言える。
当時は1G、アナロク電波で通信していた時代で、若者たちのコミュニケーションツールは「ポケベル」だった。ポケベルは送れる文字数が少なく、感情を伝えることが難しいため、若者たちは語尾に「♥」をつけて気持ちを込めるみたいな文化が浸透していた。たとえば、docomoのポケベル(センティーシリーズ)ではツータッチ入力の「88」で「♥」を送ることができた。一説では、バンド「Go!Go!7188」はポケベルのツータッチ入力に由来するとされている。ベースのアッコは本名が野間亜紀子だが、ポケベルのツータッチ入力の「55 71 88」は「ノマ♥」となる。
ところが、1998年にdocomoが社会人向けポケベル「インフォネクスト」を発売したときに問題が起きた。「インフォネクスト」はこれまでのカタカタだけでなくて、漢字も使えるという触れ込みだった。そして、その代わり「♥」が使えなくなった。そうしたら、高校生を中心に「今後、docomoはハートマークが使えなくなる」という間違った噂が日本全国に広まって、競合他社のテレメッセージ社にたくさんの若者が乗り換えた。当時、docomoは衝撃をもってこの出来事を受け止めたわけで「ハートマーク事件」と命名されている。
docomoでは次なる新商品として「i-mode」の開発を進めていたところだった。時代は2Gに移って、デジタル通信になった。携帯電話でメールやインターネットができる時代に向かって動いていて、まさにdocomoは、世界で初めて、携帯電話でインターネットにアクセスできる最先端の製品を作っていたわけだ。そのときに、docomoの社員だった栗田穣崇氏は「ハートマーク事件」を目の当たりにしていて、次世代端末には「絵文字」が必要だと考えた。そして、176種類の絵文字(12×12ピクセル)を監修・開発した。こうして、1999年にi-modeが発売され、ドコモ絵文字も普及していった。
もちろん、これは環境依存文字で、docomoの端末以外では文字化けする。それでも、非常に画期的だったわけで、この176種類のドコモ絵文字は2016年10月にニューヨーク近代美術館(MoMA)に収蔵されている。
2025年5月26日 久々にファンタジィ事典を更新!
1か月振りにウェブサイト「ファンタジィ事典」を更新した。ゴールデンウィークに4日間も韓国に行ったし、後輩指導に追われて仕事が忙しかったしで、なかなか時間が取れなかったのが正直なところ。仕事は全ッ然、一段落しているわけでもないんだけど、でも、このままズルズルと更新作業から遠ざかってしまうのもいけないなあと思って、重い腰を上げて更新に着手した。本当は妖怪画を描きたいところだ。
さて、1か月振りの更新は朝鮮の妖怪チョングとトンジャサム、そして『絵本百物語』の飛縁魔(ひのえんま)だ。朝鮮の妖怪は引き続き、継続していきたいと思っていて、今回のチョングは天狗。天狗とは言っても日本の天狗(てんぐ)ではなく、古代中国に由来する文字通りの天のイヌである。瓮(かめ)のような頭に小さい手足、長い尾を持っていて、フォルムがオタマジャクシみたいな姿をした小動物で、毛の代わりに細い炎を吐き出しながら、天空を飛翔する。たまに地面に墜落して、地震を引き起こす。まさに流れ星である。トンジャサムは高麗人参の精霊で、子供の姿になって人間世界に干渉してくる。
飛縁魔は、白蔵主に続いて『絵本百物語』から持ってきた。ちょうど来年(2026年)が丙午(ひのえうま)なので、その辺もちょっと調べながらまとめてみた。
そんなわけで、緩やかにファンタジィ事典の更新を再開してみた。忙しい毎日は変わらないので、ペースは上がっていかないとは思うんだけど、引き続き、緩やかに更新していきたいなあ。妖怪画も描きたいなあ。本当は朝鮮の妖怪をどんどん描きたいと思っているので、諦めずに隙間時間を狙って、絵を描いてみたい。乞うご期待だ。
2025年5月28日 絵文字の歴史4:絵文字の進化と文字コードの壁
5月25日の絵文字の歴史3:ハートマーク事件とドコモ絵文字の誕生の続き。
docomo絵文字に倣って、J-フォン(後のvodafone、そしてsoftbank)とauもすぐに独自の絵文字を開発していく。
顧客はどのキャリアの絵文字がかわいいかで端末を選んだといっても過言ではなくって、当時の若かりしボクも例外ではない。ちぃ子(後の妻!)が「docomoの絵文字はかわいくない。Vodafoneの顔も四角いからやだ。auがいい」という理由で、auを選んだので、ずぅっとauを愛用していた。当時はdocomoはdocomo、vodafoneはvodafone、auはau同士でしか絵文字を送れなくって、他社の端末では文字化けする。だから、家族や彼氏彼女とキャリアを揃える必要があって、囲い込みが進んでいくわけだ。当時のボクたちは、誰がauユーザで、誰が非auユーザなのかを把握していて、auの人向けにはかわいい絵文字を送り、非auの人向けには顔文字を使って対応していたような気がする。写メが導入されたのもこの頃。当時としては画期的で、J-フォンが最初に導入したのだと記憶している。つまり、各社、差異化を図って顧客獲得を目指していたわけだ。
ここで、ようやく本題に入る。このように、各社が独自に開発した絵文字というのは、機種依存文字だ。統一的な文字コードの規格になっていないから、異なるキャリア同士では文字化けする。エンジニアとしては、ここは何とか乗り越えたかった課題だと思う。そりゃあ、当然、人間だもの。やっぱり他社の人とも同じ絵文字を共有したい。だから、絵文字の統一規格が必要になる。当然、そんな議論はあったはずだ。
ところが、ここで当時の技術者たちは別の方向に舵を切る。まず、2004年にdocomoがデコメールを始める。絵文字を文字ではなく、画像にして、メールに添付して、htmlで文字と文字の間に絵を突っ込むという暴挙に出たわけだ。続いて2005年には、softbankがサーバ上で他社宛てのメールの絵文字を自社の類似の絵文字に変換する「絵文字変換機能」のサービスを開始する。結局、ケータイ各社は統ー規格を作る方向にはならずに、バラバラのまま突き進むことになる。
けれども、絵文字利用の文化はどんどんと深化していく。ケータイの枠を飛び越して、SNSでも絵文字が使われるようになる。blogやfacebook、twitterを利用するときにも、日本人の若者たちは絵文字も使って記事を投稿するようになる。そんなニーズに応じる形で、各SNSプラットフォームも、どんどん絵文字の機能を展開していく。そんな困った状況の中、絵文字の国際規格化を推進する動きが出てくる。2010年に「Emoji」がUnicode 6.0に採用された。さてはて。
2025年5月30日 「我辛党」と「3の歌」!?
花冷え。が新曲「Spicy Queen」を発表した。ユキナ氏の喋りのようなプリティーな歌唱からデスボイスに移っていく。この振れ幅の凄まじさが花冷え。の魅力のひとつだとすると、今回の楽曲は、ユキナ氏のプリティーな歌唱が多くてよい。ユキナ氏のキラキラした雰囲気からのド迫力のデスボイスの落差が楽しいのである。歌詞の中でたくさん韻を踏んでいて、それもメチャクチャよくできている。歌詞の中に「我辛党」という言葉が出てくるんだけど、「我甘党」という昔の楽曲との対比になっているのも遊び心が満載で面白い。そして、最近、クールビューティーな雰囲気のマツリ氏がニコニコとダンスしているのも茶目っ気があってよい。
BABYMETALも新曲「Song 3」を出してきた。「メタり!!」あたりからずぅっとコラボ続きで面白いのだが、今回、久々にSU-METAL氏以外の2人が大活躍。初期のBABYMETALの「4の歌」の雰囲気を彷彿させる。こういうふざけた感じがBABYMETALの真骨頂のひとつだよね。バックバンドもSU-METAL氏も大真面目にやっているのに、歌詞といい、脇の2人といい、ふざけ散らかすのが、いい感じ。「1, 2, 3, 1, 2, 3, 1, 2, thunder」とか歌っているけど、結局は猪木の「1、2、3、ダー!!」と言っているだけだもんね。「バリ3」だって、電波がいい状況を指す言葉だけど、今の人たち、伝わらないんじゃないか?
まあ、そんなわけで、どちらもふざけた楽曲なんだけど、とてもいいよね。