ワーム
| 分 類 | イギリス伝承 |
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Wurm,Worm(ワーム)【英語】 Wyrm(ワーム)【古英語】 Vurm(ヴルム)、Ormr(オルム)【古ノルド語】 | |
| 容 姿 | 大蛇型の竜。 |
| 特 徴 | 英雄に退治される怪物。水辺に棲み、村を襲い、家畜や乙女を喰らう。 |
| 出 典 | - |
イギリス伝承の悪役、英雄に退治される巨大な大蛇の怪物!?
ワームはイギリス伝承に登場する大蛇の怪物。ドラゴンの一種とされるが、古い伝承では翼も手足もない巨大なヘビの姿をしている場合が多い。ぬるぬるの身体で、毒の息を吐き出す。大抵、物語の中では悪役として登場し、井戸や泉などの水辺に棲みつき、村を荒らしたり、乙女などを喰ったりする。
ワームの典型的な例として、ラムトン・ワームなどがよく知られている。ラムトン・ワームは、もともとはイングランドのウェア川に棲んでいて、ラムトン家の跡取りのジョンが川で釣りあげた。ジョンは驚いてこの生き物を井戸に捨てた。しかし、生き物は井戸の中で、そのまま食欲旺盛な巨大な怪物へと成長を遂げた。そして井戸から這い出すと、次々と家畜を喰らい、近隣の人々は混乱と恐怖に陥った。彼はこの怪物の退治を決意すると、武器職人にとげとげの防具を作らせるとそれを身に着けてワームと対峙した。ワームはジョンに巻き付いたが、締め付ければ締め付けるほど、ワームの身体は切り裂かれた。ワームの再生能力は高く、身体を斬っても、すぐに元通りにくっついてしまったが、彼は斬り落としたワームの身体を川に流すことで再生することを防いだ。こうして、ワームは退治されたという。
北欧では、ワームはヴルムとかオルムなどと呼ばれる。たとえば、北欧神話のミズガルズオルムも《中つ国の大蛇》という意味になる。
時代が下るとワームはドラゴンと同一視されるようになり、他のドラゴンと同様に手足や翼があると考えられるようになった。イギリスのワーム伝承の中には、足が12本もあるワームもいるらしい。
「ワイアーム」って何!?
ちなみに近年のゲームなどに「ワイアーム」という翼をはやしたヘビのような姿のドラゴンの仲間が登場する。これは80年代に海外ゲームを輸入した過程で、古英語のwyrm(ワーム)をカタカナ読みにした際に「ワイアーム」と誤読したもので、本来、ワームと同様である。日本では、特に、翼をはやしたワームのことを「ワイアーム」と呼ぶと誤解されている。
《参考文献》
- 『図説 幻獣辞典』(著:幻獣ドットコム,イラスト:Tomoe,幻冬舎コミックス,2008年)
- 『シリーズ・ファンタジー百科 世界の怪物・神獣事典』(著:キャロル・ローズ,監訳:松村一男,原書房,2004年)
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2025/07/19
