スクヴェイダー
分 類 | ヨーロッパ伝承(スウェーデン伝承) |
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skvader(スクヴェイダー)【スウェーデン語】 | |
容 姿 | 翼を生やした野ウサギ。 |
特 徴 | 猟師が仕留めた。博物館には剥製も飾られた。 |
出 典 | - |
猟師は翼を生やしたウサギを仕留めた!?
スクヴェイダーはスウェーデンに伝わる架空生物である。野ウサギの身体にライチョウの羽が生えている。スンツヴァルという港町のレストランで、ホーカン・ダールマルク(Håkan Dahlmark)という男が冗談交じりで1874年に羽の生えた野ウサギを仕留めたと主張した。彼の雇っていた家政婦の甥アルヴァール・フリーセンダール(Halvar Friesendahl)がスクヴェイダーの絵を描いて、ダールマルクに贈った。ダールマルクは死の直前にこの絵を博物館に寄贈した。そして、博物館の館長カール・エリック・ハンマーバリ(Carl Erik Hammarberg)が剥製師のルドルフ・グランバリ(Rudolf Granberg)にスクヴェイダーの復元を依頼した。グランバリは1918年に野ウサギとライチョウを使った剥製が完成させ、以来、フリーセンダールの絵とグランバリの剥製は博物館の人気の展示になった。
こうして、スクヴェイダーは非公式ながらスンツヴァルのシンボルになり、実際、1987年には、スンツヴァルのあるメーデルパッド地方の動物を制定する際の住民投票では、多くの住民がスクヴェイダーに投票したという。
また、1950年代、1960年代に現地ではスクヴェイダー・バスが走行していた。これは車体の前部分は旅客用のバス、後ろ部分が配達用の荷台になっていて、2つが組み合わさったことから、そのように呼ばれた。
ちなみに、skvader(スクヴェイダー)は、スウェーデン語のskvattra《鳴く》とtjäder《ヨーロッパオオライチョウ》を組み合わせた造語である。冗談でラテン名(Tetrao lepus pseudo-hybridus rarissimus)もつけられている。
ちなみに、スクヴェイダーに似たような存在として、ドイツのヴォルパーティンガーがいる。ヴォルパーティンガーは翼だけでなく、頭から2本の角を生やした野ウサギである。
《参考文献》
Last update: 2023/01/21