ポッパ・メドゥ

分 類ミャンマー伝承
名 称 ပုပ္ပားမယ်တော် (ポッパ・メドゥ)《ポッパ山の女王》【ミャンマー語】
မယ်ဝဏ္ဏ (メ・ウンナー)【ミャンマー語】
容 姿緑色のドレスをまとった女の精霊。頭には1匹あるいは2匹の鬼の面をつける。
特 徴ポッパ山の花喰い鬼女。死後、精霊と化して、ポッパ山を支配している。
出 典

ポッパ山を支配する恐ろしい鬼女!?

ポッパ・メドゥはミャンマー伝承に登場する強力な精霊ナッである。元々はメ・ウンナーという名前の花喰い鬼女で、ポッパ山に棲んでいた。パガン朝のアノーヤター王の命令で、花担当長官たっだビャッタは毎日10回、ポッパ山を登って、新鮮な花をパガンの王宮に届けていた。それを見たメ・ウンナーは彼に恋し、人間に化けて彼の前に現れた。こうして彼らは結婚し、二人の息子(シュエピーンチーシュエピーンゲ)を儲けた。彼らは「タウンピョン兄弟」と呼ばれる。ビャッタがメ・ウンナーと2人の息子を愛してパガンに戻らなくなったことに腹を立てたアノーヤター王はビャッタを処刑した。しかし、後にそのことを後悔し、二人の息子を養子にすることとした。王の家臣が魔法の杖でポッパ山の麓の地面を叩くと、メ・ウンナーと兄弟たちが転げ落ちてきた。王は無理矢理、兄弟を連れていき、残されたメ・ウンナーは悲しみから死んで、強力な精霊ナッと化した。これがポッパ・メドゥで、《ポッパ山の女王》という意味である。その名のとおり、今でもポッパ山を支配している。

その後、王の養子となった二人の息子たちも、仏塔建設の手抜かりを理由にアノーヤター王に処刑され、精霊ナッと化した。こうして、現在では、ポッパ・メドゥは2柱の息子たちと一緒にポッパ山に祀られている。

ポッパ・メドゥは緑のドレスをまとい、頭の上には1匹あるいは2匹の鬼の面をつけ、花を持った姿で描かれる。ポッパ・メドゥ自体は2柱の息子たちとは異なり、ミャンマーの公式の神々である37柱の精霊ナッには含まれていないが、ミャンマーでは非常に重要なナッで、2柱の息子とともに篤く崇拝されている。

《参考文献》

Last update: 2023/03/13

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