オラン・ペンデク

分 類未確認生物(UMA)インドネシア伝承
名 称 Orang Pendek(オラン・ペンデク)《背の低い人》【インドネシア語】
容 姿身長80センチから1.5メートルの獣人。毛深く、大きな腹に長い手。
特 徴1920年代から目撃され、未知の類人猿と期待されている。
出 典

比較的小型の獣人型未確認生物!?

オラン・ペンデクはインドネシアのスマトラ島で目撃される獣人型の未確認生物(UMA)。身長は80センチメートルから1.5メートルと比較的、小型で、獣人型未確認生物の中では珍しい。全身が毛深く、たてがみのような髪の毛で、腹は大きく、手は長く、樽のような体型とされる。臆病だが怪力で、昆虫やヘビ、カニ、果実を食べるなど雑食である。特にドリアンを好むとされる。現地語で《背の低い人》を意味する。14世紀にイタリア人修道士のジョヴァンニ・デ・マリニョーリがスマトラ島とジャワ島を訪れたときに、猿に似た人類と遭遇した記録に残している。

オラン・ペンデクそのものに関する伝承はスマトラ島に住むクブ族が多数、保有しているが、どちらかと言えば、未確認生物というよりは森で共に暮らす精霊のような存在で、ハンツ・ペンデク(Hantu Pendek)《背の低い霊》として語られ、オラン・ペンデクが幸せに暮らせるように、供物として煙草を森に奉げていたという。

オラン・ペンデクが一躍、有名になるのは、オランダ人がスマトラ島に入植して以降である。1923年にオランダのヴァン・ヘルワルデン(Van Heerwarden)が未知の獣人を目撃し、報告している。デビー・マーター(Debbie Martyr)は1990年代にかなり詳細に調査をし、オラン・ペンデクのものとされる足跡を複数、収集している。また、彼女は実際にオラン・ペンデクと遭遇したと主張している。2001年から2003年にはケンブリッジ大学で、オラン・ペンデクのものとされる体毛と足跡を分析し、類人猿のものと断定し、しかし、既知の霊長類とは合致しないと報告されている。

インドネシアのフローレス島には、類似の獣人エブゴゴの伝承が残っている。エブゴゴも身長1.5メートル程度の獣人で、手が長く、太鼓腹で、雑食である。また、フローレス島では2003年にフローレス原人(Homo floreshienshis)の骨が発見されている。これも身長1メートル程度の小さな原人で、およそ5万年前のものと考えられている。オラン・ペンデクはエブゴゴやフローレス原人などと結び付けられながら、その正体はフローレス原人の生き残りではないかと期待されている。

インドネシアでは、アジア唯一の霊長類オランウータンが棲息しているし、ジャワ原人や上述のフローレス原人などの骨が見つかっているため「まだまだ謎の獣人がいる!」という夢を掻き立ててくれる。

《参考文献》

Last update: 2021/09/25

サイト内検索