ヌッペッポウ
分 類 | 日本伝承 |
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ぬっぺっぽう【日本語】 ぬっぺふほふ【日本語】 | |
容 姿 | 肉の塊に手足がついた姿。 |
特 徴 | 詳細は不明。ただし、食べると神通力を得るとも。 |
出 典 | 鳥山石燕『画図百鬼夜行』(1776年)、佐脇嵩之『百怪図巻』(1737年)ほか |
肉の塊に手足がついた化け物!?
ぬっぺっぽう、あるいはぬっぺふほふは『画図百鬼夜行』や『百怪図巻』などの江戸時代の妖怪画に登場する妖怪。肉の塊に手足がついたような姿で描かれる。いずれの妖怪画も解説は付されていないため、詳細はよく分からない。『新吾左出放題盲牛』(1781年)に「ぬっぺっぽうといふ化けもの有り。目もなく耳も無く」とあり、ノッペラボウの一種と考えられている。
ちなみに江戸時代末期の随筆『一宵話』に、類似の妖怪が登場する。1609年(慶長14年)、徳川家康の暮らす駿府城の中庭に「肉人」ともいうべき異様なものが現れた。小児のような形の肉の塊で、手はあるが指はなく、手で天を指して動かない。「化け物か」と大騒ぎになったが、徳川家康が「追い払ってしまえ」と命じたため、山の方に追い出されたという。しかし、この話を聞いた物知りな人が「それは『白澤図』にも載っている『封(ほう)』というもので、その肉を食べたら神通力を得る仙薬になったのに惜しいことをした」と言ったという。これがぬっぺっぽうのことだとすれば、恐れずに食べてみるのも手かもしれない。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2020/04/18