ミミック
分 類 | 近代ファンタジー |
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Mimic(ミミック)【英語】 | |
容 姿 | 変幻自在。扉や宝箱、彫像などに擬態。 |
特 徴 | 宝箱などに擬態して近づく冒険者を襲う。 |
出 典 | 『ダンジョンズ&ドラゴンズ』ほか |
宝箱を開けようとすると襲われる!?
英語のmimicは《擬態する》という意味で、ミミックはその名のとおり、変幻自在で、家具や調度品などに変身して近づく冒険者たちに襲い掛かり、捕食する。元々はテーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のオリジナルのモンスターで、扉や箱、彫像などに化けている。形を変えるだけではなく、その表面は木や石、金属などの素材と全く同じになるように擬態できる。多くの場合、宝箱に化けているため、宝が入っていると思って不用意に近づいた冒険者たちを餌食にする。
なお、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』では、光に弱いとされ、洞窟の奥深くに潜んでいる。強力な粘着液を出して獲物を捕らえる。牙を生やした口、複数の目を持つなどのイラストが描かれている。
その後、ミミックは『ウルティマ』など多くのゲーム作品に登場している。日本では『ドラゴンクエストⅢ』に登場して以降、シリーズ定番のモンスターになっている。
擬態するモンスターたち!?
ミミックに似たモンスターはたくさんゲームに登場する。たとえば『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のハプツーン(Huptzeen)は宝石のついた指輪に擬態したモンスターだ。『ソード・ワールドRPG』ではイミテーター(Imitator)と呼ばれている。こちらも変幻自在で椅子や扉、部屋の床などにも擬態する。
『ウィザードリィ』ではクリーピング・コイン(Creeping Coin)というコインに擬態したモンスターが登場する。『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のロック・ラーカー(Lock lurker)もコインに擬態したような虫のようなモンスターだ。
ちなみに、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』には、金製品だと思って触ったら金色のカビで有毒の胞子を吐き出すイエロー・モールド(Yellow mold)や、剣や鎧に宿って動かすポゼッション(Possession)というモンスターも登場する。
こういう冒険者を待ち構える罠のようなタイプのモンスターはRPGの文脈の中で発展していったものなので、1970年代以降の比較的、新しいモンスターと言える。
イラスト解説
イラストは『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のイメージで描いてみた。『ドラゴンクエスト』で鳥山明が絵がいたミミックは宝箱が口のように開いたり閉じたりする。箱の中に目があってとてもキュートだ。『ドラゴンクエスト』の場合、宝箱を抱えて飢えた死者の霊が宝箱に宿っている設定だからだが、擬態するなら、箱が開閉するギミックまで再現する必要はないので、箱の外に目がつく感じになるだろうな、と想像する。
《参考文献》
- 『ドラゴンクエスト25thアニバーサリー モンスター大図鑑』(スクウェア・エニックス,2012年)
- 『モンスター・コレクション 改訂版(下)』(安田均/グループSNE,富士見ドラゴンブック,1996年)
Last update: 2022/08/13