アマランヒグ

分 類フィリピン伝承
名 称 Amalanhig(アマランヒグ)《硬いもの》【フィリピン諸語】
Maranhig(マランヒグ)、Amamanhig(アママンヒグ)、Amaranhit(アマランヒ)【フィリピン諸語】
容 姿蘇った死体。全身が硬直している。
特 徴吸血鬼が死後、死体になって動き出したもの。鼻から血を啜る。
出 典

アマランヒグのイラスト

フィリピンの吸血ゾンビ!?

アマランヒグはフィリピン伝承のヴィサヤ地方に伝わるアンデッド系モンスターである。一度、死んだ後に生き返った存在で、基本的には死体なので、腐った肉のような悪臭が漂っている。森の中に棲息し、夜になると人里にやってきて眠っている人間を襲い、鼻から血を啜る。襲われた被害者もアマランヒグになってしまうと信じられている。

アマランヒグは全身が硬直していて、関節が固いため、万が一、襲われた場合には、曲がりくねった木の間を逃げたり、木に登ったり、ジグザグに走れば、追跡から逃れることができる。また、水が苦手なため、川や湖に飛び込むか、川を渡って越えてしまえば、もう追い掛けてはこない。

吸血鬼のなれの果て!?

フィリピンではアスワンと呼ばれる吸血鬼の仲間たちが知られている。地域によっては、吸血鬼の能力は他人に譲渡できると信じられている。そのため、彼らは天寿を全うする前に、子孫に自分の能力を移譲しようとする。しかし、誰もその能力を引き継がなかった場合には、彼らは死後も吸血鬼として生き続けることになる。それがアマランヒグなのだと説明される。そういう意味では、哀れな存在と言える。

《参考文献》

Last update: 2024/02/03

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