アルラウネ

分 類ドイツ伝承ヨーロッパ伝承
名 称 alraune(アルラウネ)【ドイツ語】
galgenmännlein(ガルゲンメンライン)《絞首台の小人》【ドイツ語】
容 姿根っこが人間の形をした植物。
特 徴地面から引き抜くと悲鳴を上げ、それを聞いた人間は発狂する。未来を予言する。
出 典ヤーコプ・グリム『ドイツ神話集』(1835年)ほか

未来を予言する木の根っこ!?

アルラウネはマンドラゴラの亜種で、根っこが人間の形をした不思議な植物である。一般的に、マンドラゴラには催淫、媚薬、不老長寿などのさまざまな薬効が期待されるが、アルラウネの場合、どちらかと言えば、未来の予言や秘密を暴露で持ち主に利益を与えてくれる。

アルラウネは絞首刑になった人間の尿や精液などが地面に滴り、そこから芽を出すという。マンドラゴラと同様に、引き抜くときには大きな悲鳴をあげる。この悲鳴を聞いた人間は発狂してしまうため、イヌなどに紐を引かせて身代わりにして引き抜く。この点はマンドラゴラの入手法と同じである。

引き抜いたアルラウネは赤ワインできれいに洗い、紅白の絹布で包んで木箱に保管する。毎週金曜日には身体を洗ってやり、新月ごとに布を変えてやる。そうすることで、この植物に質問すると、未来のことや誰かの秘密などを教えてくれる。つまりは、アルラウネは人語を喋るということになりそうだ。

アルラウネはalp(アルプ)《妖精・夢魔》 とraunen(ラウネン)《囁く》の合成語だとされる。アルプというのは北欧由来の土着の妖精で、元々は地中深くに棲んで、魔術や貴金属に詳しいとされる。アルラウネは、何となく大地の神秘と結びついているのかもしれない。

《参考文献》

Last update: 2023/09/23

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