2023年10月4日 フィリピン妖怪から始めてみよう。

相も変わらず、フィリピンの妖怪を調査している。もう少し整理したら、またファンタジィ事典にも反映させたいと思っている。そのときには、イラストを添えてフィリピンの妖怪を紹介できたらよいなと思う。日本で知名度の低い妖怪は、イラストを援用することで、少しでも知名度を高められたらよい。そんな密やかな構想である。

こんなことが可能になったのは、Aswang Projectのお陰だ。いろんなフィリピン妖怪を掲載してくれている。姿・形の詳細が載っていないものが多いので、イラストに起こすのは大変なんだけど、それでも、最近はフィリピンのイラストレータさんがフィリピン妖怪を描くようになっているので、現地でどういう風に捉えられているのかが、少しずつ把握できるようになってきている。勿論、イラストレータさんの独自の解釈とかアイディアが盛り込まれているはずなので、完全に信頼できるわけではない。でも、少なくとも、現地ではこういう風に解釈されているという一端を知ることはできる。

たとえば、アスワンの一種であるマナマンガルという妖怪は、下半身から切り離されて、上半身だけが空を飛ぶイメージが定着している。上半身からは腸がはみ出しているイラストが多い。一方で、ウンガウンガという妖怪は、マナナンガルに似ているけれど、上半身ではなく、首だけが身体から切り離されて空を飛ぶ。しかも、肺、胃、腸などが一緒になって首にくっついて飛び出してくる。そんなイラストを多くのフィリピンのイラストレータが描いている。インドネシアやタイ、ラオスにも、首だけが内臓をぶら下げて飛んでいる妖怪がたくさんいる。ウンガウンガは、そういう東南アジアの妖怪の方に近い姿だ。こういうのをイラストで描いて紹介すれば、フィリピン妖怪の知名度が上がるのではないか。それがうまく行けば、インドネシア妖怪やミャンマー妖怪でも同様の取り組みをしていきたいところだ。