2023年4月25日 メディアの闇に転嫁してはいけない。

岡本カウアンがGASYLEでジャニー喜多川からの性被害を告白した。時を同じくして、BBCが特集を組んで報じた。そして、先日、岡本カウアンが日本外国特派員協会にて記者会見をした。

性被害の実態については、昔からたくさん暴露本が出されていたし、週刊文春も報じていた。たとえば、フォーリーブスの北公次氏が1988年の『光GENJIへ』で暴露本を出版したのが最初で、次の年にはジャニーズの中谷良氏が『ジャニーズの逆襲』が性被害を告発していた。ジャニーズJr.としては、平本淳也の『ジャニーズのすべて-少年愛の館』(1996年)、木山将吾の『SMAPへ-そして、すべてのジャニーズタレントへ』(2005年)などがある。

週刊誌としては、1999年以降、週刊文春が繰り返し、報じていて、それに対してジャニーズ事務所が名誉毀損で訴えた裁判があって、2002年の判決では、ジャニーズ事務所が勝訴しているが、性的虐待については真実性が認められた。それでも、どこのメディアもこれまで大きく取り上げることはなかった。

今、これまでテレビが報じてこなかった過去、今でも小さな報道に留まっている事実が「メディアの闇」として、海外メディアやYouTube等の媒体で非難されている。確かに気持ち悪さはあって、芸能人の不倫とか、不適切発言なんかは大きく取り上げるのに、未成年に対する性犯罪という大きな出来事はちょっと触っておしまいにしてしまうメディアは異常だと感じる。

でも、もうひとつ、ボクたちが考えなければならないのは、1988年以降、元ジャニーズによる暴露本が出版され、1999年以降、週刊文春が報じ、2002年の判決で性的虐待が認定された歴史の中で、岡本カウアンの性被害は、実はそれ以降に起こっているという事実だ。社長がワンマンで強かったとしても、組織として一切の対応をしてこなかった。それを清算しないまま、前に進むことはできない。そんな気がしている。「メディアの闇」に目を向ける前に、そもそものジャニーズ事務所のこれまでの在り方を見つめなおさなきゃいけない。