遣ろか水(やろかみず)

分 類日本伝承
名 称 遣ろか水(やろかみず)【日本語】
容 姿声のみ。姿は不明。
特 徴川の上流に棲み、洪水を引き起こす。
出 典

遣ろか水の呼び声に応えたら大洪水!?

遣ろか水(やろかみず)は愛知県や岐阜県を流れる木曽川、長良川、揖斐川(木曽三川)の流域に伝わる妖怪。姿は見せないが、川の上流に棲んでいて、大洪水を引き起こした。川の主とも言われる。

大雨などで川が増水しているときに、川の上流から「やろかやろか(欲しいか欲しいか)」と呼びかけてくる。この声にうっかり「よこさばよこせ(もらえるなら寄越せ)」などと応えてしまうと、その瞬間に川の水が氾濫して大洪水が起こる。

たとえば江戸時代の1650年に9月に尾張国と美濃国で大洪水が発生したが、尾張国丹羽郡上般若村が完全に流れてしまい、村は全滅に近い被害が出た。「よこさばよこせ」と応えてしまった村人はこの村の住人だと伝えられている。

同様に1687年8月の大洪水や1873年の洪水などの際にも「やろかやろか」という声は聞こえたとされる。

《参考文献》

Last update: 2024/09/15

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