家鳴り(やなり)
| 分 類 | 日本伝承 |
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家鳴り(やなり)【日本語】 | |
| 容 姿 | 姿は見えない。あるいは小鬼。 |
| 特 徴 | 理由もなく家や家具が揺れる。 |
| 出 典 | 鳥山石燕『画図百鬼夜行』(1776年)ほか |
家がガタガタと揺れるのは悪霊の仕業か!?
家鳴り(やなり)は日本各地の伝承にある怪異のひとつで、家や家具が理由もなく揺れ出す現象。西洋のポルターガイストに似ている。実際には、温度や湿度の変動が原因で、家の構造材が軋むような音を立てることがあり、これを「家鳴り」と呼んだりもする。
『太平百物語』に登場する家鳴り
『太平百物語』(1732年)では、但馬国(現在の兵庫県北部)で、ある浪人たちが度胸試しのため、化け物屋敷に泊り込んだ。夜、突然、家全体が激しく揺れ始めた。地震かと思って外へ出たが、揺れているのは家だけだった。そこで、浪人たちが智仙という僧に相談し、一緒に家に泊まると、智仙は畳を見つめ、最も激しく揺れる場所に小刀を突き立て、揺れはそれっきり、ピタリと止まった。翌朝、家を調べると、床下に「刃熊青眼霊位」と記した墓標があって、小刀の突き刺さった「眼」の部分から血が出ていた。かつて近隣を荒らし回っていた熊を、その家に住んでいた男が殺して、祟りを鎮めるためにその墓標を建てたが、熊の霊に憑かれて死んでしまい、数々の怪異を起こしていたという。
なお、鳥山石燕の『画図百鬼夜行』(1776年)では、小さな鬼のような妖怪が家を揺らして家鳴りを起こしている様子が描かれている。
鳴屋
(鳥山石燕の『画図百鬼夜行』「陽」「鳴屋」より)
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
- 『鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集』(著:鳥山石燕,角川ソフィア文庫,2005年)
- 『日本妖怪図鑑』(リリパットブックス)
Last update: 2020/04/12
