ヴァンピール

分 類スラヴ伝承
名 称 Вампир〔vampīr〕(ヴァンピール)【セルビア語】
容 姿蘇った死体。醜く腐っている。
特 徴スラヴ伝承の吸血鬼。

墓場から復活した死に損ない!?

ヴァンピールはスラヴ地方に伝わる吸血鬼のことで、英語のVampire(ヴァンパイア)の語源になっている。昼の間は墓場で眠り、夜になると棺桶から出てきて、人間たちの血を吸う。コウモリやネズミ、霧などに変身できる。

ヴァンパイアと言えばブラム・ストーカーが描いた『ドラキュラ』のイメージが強く、近年では高貴な風貌で描かれることも多いが、もともとスラヴ伝承に登場するヴァンピールというのは蘇った死体なので、その姿は基本的に醜く、腐っていたり、どす黒く変色していたりと不気味でグロテスクな姿をしていることが多いようだ。身体が膨張してぶよぶよになっているとも言われている。

『ドラキュラ』や『カーミラ』などの19世紀の文学作品によって「ヴァンパイア=超常的な能力を持った不老不死の存在」という図式が定着した。

血を吸われたものもヴァンピールになるとされる。ヴァンピールに対しては、胸に杭を打ち込めば退治できるなどの対処法もいろいろと伝わっている。ニンニクと十字架が苦手という弱点も後代になって加えられた。

《参考文献》

Last update: 2019/07/21

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