トゥルルケ・ウェクフ

分 類南米伝承
名 称 Trülke Wekufü(トゥルルケ・ウェクフ)《革の悪霊》【マプチェ語】
Cuero(クエーロ)《革》【スペイン語】
容 姿平たいウシの革のような姿。たくさんの目とひとつの口、縁にはたくさんの爪がある。
特 徴水底に潜み、水辺の人を爪で引っ掻け、巻きついて窒息させ、水中に引き込んで食べる。
出 典

水中に潜む奇怪な姿の怪物!?

トゥルルケ・ウェクフはマプチェ族に伝わる謎の怪物。マプチェ語で《革の悪霊》という意味で、スペイン語では単に《革》を意味するクエーロと呼ばれる。その名の示すとおり、平べったくて、1枚のウシの革のような姿をしている。表面には目がたくさんあり、裏側には大きな口がひとつある。皮の縁の部分には鋭い爪が生えている。何とも想像を絶する姿である。川や湖に棲んでいて、普段は水底で丸まって潜んでいる。しかし、水辺に人がやってくると、鋭い爪で犠牲者を引っ掻けると、平べったい身体で巻きつき、窒息させて、水中に引っ張り込んで、喰らう。

マプチェ族の間には、ある母親が娘をトゥルルケ・ウェクフに殺され、その仇を打ったという言い伝えが残っている。母親はチョケイという鳥の脂を塗って臭いで怪物をおびき寄せると、怪物が大きく口を開けた瞬間に、棘のついた枝を放り込んで怪物を退治したという。

《参考文献》

  • 『南米妖怪図鑑』(文:ホセ・サナルディ,画:セーサル・サナルディ,ロクリン社,2019年)

Last update: 2021/09/20

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