スピンクス

分 類ギリシア神話
名 称 Σφίγξ〔Sphinx〕(スピンクス)【古代ギリシア語】
容 姿上半身が人間の女性、下半身がライオンで、鷲の翼を生やしている。
特 徴旅人に謎を掛けて答えられないと喰う。
出 典ヘーシオドス『テオゴニアー』(前7世紀)など

旅人に謎を掛ける怪物!?

スピンクスはギリシア神話に登場する怪物で、上半身が人間の女性、下半身がライオンで、鷲の翼を生やした姿をしている。怪物エキドナとテューポーンの娘で、女神ヘーラーによってピーキオン山に送られ、驕ったテーバイ人を苦しめていた。旅人に「朝は4本足、昼は2本足、夜は3本足。これは何か」という謎を出し、答えられなかった者はスピンクスに食べられた。しかし、英雄オイディプースに「答えは人間である」と言い当てられ、海に身を投げて死んだ。

エジプトの怪物もスピンクス!?

スピンクスのような人頭でライオンの身体を持つ怪物は古代オリエント世界に多く伝わっていて、建物の入り口に飾られた。エジプトでもファラオの王権を守護する聖獣としてあちこちの遺跡から人頭のスフィンクス像が出土している。ギザのクフ王のピラミッドの前に鎮座するスフィンクス像は非常に有名だろう。エジプトでは人頭のものだけでなく、ヒツジやハヤブサなど、それぞれの神さまと同じ頭部を持ったスフィンクスも多数つくられていた。これらのスフィンクスを古代エジプト人が何と呼んでいたのかは分からない。類似の像は古代メソポタミアにも存在する。

いずれにせよ、古代ギリシアのスピンクスは、このような周辺地域の影響を受けて誕生したものと考えられている。

《参考文献》

Last update: 2020/04/12

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