四神(スーシェン)
分 類 | 中国伝承 |
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四神〔sìshén〕(スーシェン)【中国語】 | |
容 姿 | 青龍、白虎、朱雀、玄武の4匹の霊獣。 |
特 徴 | 天を四分割し、東西南北を守護する。 |
出 典 | - |
天空を四分割し、各方位を守護する霊獣!?
四神(スーシェン)は中国伝承における4匹の霊獣。青龍(チィンロォン)、白虎(バイホゥ)、朱雀(ヂュウチュエ)、玄武(シュエンウゥ)である。
かつての中国には「天円地方」と呼ばれる宇宙観があって、天は丸くて、地は方形、つまり四角いとされた。丸い天は二十八の星宿に分割されていて、地は東西南北の四隅を持っていた。東西南北の彼方には霊の棲む他界があって、そこから霊が侵入し、災厄をもたらす。そこで、東西南北の四隅を守護する存在が必要になる。天の星宿は四神が守護していて、地上は四霊が守護していると考えられた。天を守護する四神がそれぞれ、青龍、白虎、朱雀、玄武で、地上を守護する四霊は麒麟、鳳凰、霊亀、応龍であり、東西南北を守護していた。
四神は天の二十八の星宿をひとまとめにした星座のように考えられていた。この天空を四分割したものを四象と呼ぶ。たとえば、二十八宿のうち、東にある7つが「東方七宿」で、角宿(すぼし)、亢宿(あみぼし)、氐宿(ともぼし)、房宿(そひぼし)、心宿(なかごぼし)、尾宿(あしたれぼし)、箕宿(みぼし)をそれぞれ、順に青龍の角、顎、胸・前脚、腹、心、尾、糞を表しているとされた。
東西南北はそれぞれ色があって、青、白、赤、黒があてられ、春夏秋冬も割り当てられた。また、この四象に五行説が取り入れられ、東西南北の青龍、白虎、朱雀、玄武に加えて、中央に黄龍が加えられ、火、水、木、金、土の五行が割り当てられた。このように、四神は非常に概念的なものであるため、神話的なエピソードをほとんど持たない。
四神相応の地!?
上述の四神を用いる術を方術と呼び、それを行なう人を方師と呼ぶ。日本では陰陽師が方術の知識を持って駆使した。四神に守護された土地は災厄を受けず、人々は幸福に暮らすことができる。そのような条件が揃った土地を「四神相応の地」と呼び、都はそのような土地につくることが望ましいとされた。『太子伝王林抄』という本にはこの条件が書いてある。東に川があって、南に流れていて、西に大きな道があり、南には池や溝などがあって、北に山がある。なおかつ、土地の中心は東と南に比べて低く、西と北に高い土地がいいとされ、このような条件を満たした土地には、理想の都市を築けるとされた。
日本でも「四神相応の地」の発想は採用されていて、平安京と江戸がこの条件を満たしている。平安京は東(青龍)に鴨川、西(白虎)に山陽道と山陰道、南(朱雀)に巨椋池、北(玄武)に船岡山があり、北西に高く、南東に低い。江戸城も東(青龍)は平川(現在の神田川)から清流を引き、西(城虎)には甲州街道があり、南(朱雀)は江戸湾を臨み、そして北(玄武)には麹町台地・上野山、そして富士山が連なる。
風水にも応用されていて、青龍が陽の原理を表し、それと対をなすのは陰の原理を表す白虎である。風水では、誰かが土地に何かを建てたり、土地を何かに利用したりする際に、この青龍と白虎の力のバランスを評価して、計画が幸先のよいものかどうか確認する。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2020/05/24