ピュグマイオス

分 類ギリシア・ローマ神話
名 称 πυγμαῖος 〔pygmaios〕(ピュグマイオス)【古代ギリシア語】
複数形:Πυγμαῖοι(ピュグマイオイ)【古代ギリシア語】
Pygmy(ピグミー)【英語】
容 姿約35センチメートルほどのずんぐりした小人。
特 徴インドあるいはエチオピアに棲むとされ、冬になるとツルとの闘争を繰り広げる。
出 典ホメーロス『イーリアス』(前8世紀)、アリストテレース『動物誌』(前4世紀)、プリーニウス『博物誌』(77年)ほか

毎年、ツルと闘争を繰り広げる小人族!?

ピュグマイオスはギリシア神話に登場する小人族。ずんぐりとした小人。肘から指の先までの長さを表わす古代ギリシアの単位「ピュグメー」(約35センチメートル)に由来する。すなわち、ピュグマイオスとは「肘から指の先までの長さの者」という意味になる。

ホメーロスの『イーリアス』などでは、ピュグマイオスたちが、冬になる海を渡ってくるツルと闘争を繰り広げると説明される。ピュグマイオスたちの中に美しい女性のゲラーナ(あるいはオイノエー)がいて、女神ヘーラーを敬わなかった。このため、怒ったヘーラーにツルの姿に変えられた。彼女は子供たちに会いにツルの姿のまま近づいたが、何も知らないピュグマイオスたちは彼女を追い払った。こうして小人族とツルの闘争が始まったとされる。しばしば、壺絵などでは、ヒツジやヤギの背中にまたがって、武器でツルと戦う小人族の絵が好んで描かれた。

アリストテレースの『動物誌』やプリーニウスの『博物誌』などでも詳細が記載されていて、ピュグマイオイたちは3か月間、ツルと戦い、ツルの卵や雛を捕るという。ピュグマイオスの家は泥とツルの羽毛、卵の殻で建てられるという。インド、あるいはエチオピアに棲んでいるという。

《参考文献》

Last update: 2020/07/05

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