ピウチェーン
分 類 | 南米伝承 |
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Piuchén(ピウチェーン)《人を枯らすもの》【マプチェ語】 | |
容 姿 | 翼を生やした大蛇。手足や魚の尾びれを持つとも言われる。 |
特 徴 | 木の上に潜み、家畜や人間の血を吸う。 |
出 典 | - |
マプチェ族に伝わる吸血の竜!?
ピウチェーンはチリのマプチェ族の伝承に登場する竜の一種。一般的には、翼を生やした空飛ぶ大蛇のような姿で、手足があるとか、魚の尾びれを持つなどとさまざまな伝承が残る。身体の表面には木の枝のような突起がついていて、森の中で身を隠すのに役立っている。特筆すべきは、ピウチェーンが血を吸うことで、主に家畜などが狙われる。ときには人間を襲うこともある。なお、ピウチェーンは《人間を枯らすもの》というマプチェ語で、大昔に家畜を飼っていなかった時代には、人間が血を吸われて干からびた状態で発見されたことから、この名前がついたとされる。普段は、木の上に潜み、身体を覆う突起で木に擬態して身を隠しているが、ピウチェーンが潜む木の近くには犠牲となったものの血で赤く染まっているので、注意深く観察すれば判断できる。周波数の高い独特の鳴き声と不気味な視線で、恐怖から人々は身動きができなくなるとされる。また、身体から毒素を分泌しているため、毒素に触れるとひどい炎症を起こすとされる。
「マチ」と呼ばれるマプチェ族のシャーマンたちだけは、ピウチェーンの棲む木を発見して、火を放って退治する方法を知っているとされる。
《参考文献》
- 『南米妖怪図鑑』(文:ホセ・サナルディ,画:セーサル・サナルディ,ロクリン社,2019年)
Last update: 2021/09/19