大百足(おおむかで)

分 類日本伝承
名 称 大百足(おおむかで)【日本語】
三上山の大百足(みかみやま-の-おおむかで)【日本語】
容 姿三上山を7巻半もする巨大なムカデ。
特 徴三上山に棲み、琵琶湖の竜宮を苦しめていた。俵藤太が退治した。
出 典御伽草子『俵藤太物語』ほか

三上山に棲みついた巨大な大百足!?

大百足(おおむかで)は日本伝承に登場する巨大なムカデの妖怪。有名なのは、三上山の大百足で、平安時代、近江国(現在の滋賀県)の三上山に棲みつき、琵琶湖の竜宮を苦しめていた。御伽草子『俵藤太物語』などでは、俵藤太(たわらのとうた)によって退治されたとされる。

あるとき、瀬田の唐橋に大蛇が出現して横たわった。人々は橋を渡れなくなって困っていたが、通り掛かった俵藤太は動じることなく、大蛇を踏みつけてゆうゆうと橋を渡っていった。すると大蛇は人間の女の姿となり、正体が湖底に棲む竜神の娘であることを明かした。そして、三上山に7巻き半もする巨大な大百足が棲みついて、竜の一族が苦しめられていると説明し、藤太に百足退治を懇願した。

藤太が瀬田の唐橋で待ち構えていると、夜になって山から大百足が現れた。藤太が弓を射るも、1本目、2本目は硬い殻に跳ね返された。3本目の矢を射るときに、唾に降魔の力があることを思い出し、矢に唾をつけて射ると、矢は大百足の眉間を射抜き、大百足は退治された。こうして、藤太は竜神から尽きることのない米俵や絹糸などを贈られ、竜宮に歓待されたという。

なお、俵藤太というのは藤原秀郷の別名で、939年に平将門が関東で朝廷に反乱を起こした際、それを平定して、将門を討った人物とされる。また、藤太は下野国宇都宮において、悪鬼・百目鬼も退治している。

《参考文献》

Last update: 2024/09/29

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