大人(おおひと)

分 類日本伝承
名 称 大人(おおひと、おおびと)【日本語】
容 姿大きな人。
特 徴各地に足跡などを残す。青森県などでは人間と相撲をとり、山仕事を手伝う。
出 典

山には大きな人が棲んでいる!?

大人(おおひと、おおびと)は日本伝承に登場する巨人。日本各地に「大人の足跡」などとされる池や沼、田んぼがある。たとえば、秋田県の沖田面集落の沼は左足、二ツ井町の沼は右足の跡だとされる。福島県にも7、8畝(700~800平方メートル)の溜池や1反(990平方メートル)の田んぼが、島根県にも「おおひとの足のあと」と呼ばれる長さが20メートルほどの窪地が残っている。山口県にも多数の足跡や手の跡などが伝わる。徳島県は大人の足跡と言われる池だけでなく、山脈を担いできて、そこからこぼれ落ちた土が丸山になったという伝承もある。

青森県ではこのような足跡だけではなく、大人との交流の伝承も残っている。岩木山では、木こりが大人と遭遇して、仲良くなって相撲をとって遊んだ話がある。木こりが手ぶらで帰るようなときには、夜の間に大量の薪を積んでくれたという。しかし、このような生活をしているうちに、木こりも大人になっていなくなってしまったようだ。この大人は人間よりも少し大きい程度のサイズなのかもしれない。

大人の死体、海から流れ着く!?

『今昔物語』(11世紀頃)には、常陸国(現在の茨城県)の東西の浜に5丈(約15メートル)の死体が浜辺に流れ着いたという記述がある。また、陸奥国(東北地方)にも打ち寄せられたらしい。

《参考文献》

Last update: 2024/09/28

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