ウェブサイトの多言語化
Google Noto Fonts
Googleでひとつのプロジェクトが動いている。2016年にGoogle Noto FontシリーズがUnicode標準で定義された約800言語、11万字を超える全文字に対応したことを発表した。Notoフォントのパッケージを全てダウンロードすると、全てのUnicodeに定義された文字に対応できるわけである。現在もUnicodeの文字は増え続けているので、Notoフォントも順次、対応していくのだろう。つまり、ボクの理想形に限りなく近い。ただし、ひとつのフォントで全ての言語に対応するのではなく、フォントのパッケージとして対応する。全Unicodeに対応するフォントを構築すると、ものすごく重くなるらしく、結局、それぞれの言語で分割して、パッケージとして対応するという判断になったらしい。
まあ、パッケージで全Unicodeに対応しているのだから、それでいいじゃないか、という話もあるのだが、例えば、Wordで文書を作成して、日本語で文章を書いていて、途中に楔形文字を入れることを想像してみると、ひとつのWordファイルで、たったひとつの『Noto Fonts』で対応してくれれば楽ちんなのに、現状としては、日本語の部分は「Noto Sans CJK JP」、楔形文字の部分は「Noto Sans Cuneiform」を指定しなければならない。ウェブサイトも同様で、スタイルシートで言語に応じてフォントを設定してやる必要があるし、ウェブサイトを閲覧する人は、たとえば、古代エジプト文字を見るためには「Noto Sans Egyptian Hieroglyphs」をインストールする必要がある。
それでも、大きな一歩である。楔形文字やアヴェスター語など、ウェブサイトが文字化けになるという技術的な課題と戦いながら、ようやく、そういう課題が解決されそうな見通しがある。
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ちなみにNotoフォントのNotoは「no more tofu」の略らしい。文字化けしたときの□をgoogleサイドは「豆腐」と呼んでいるようで、これを取り除こうというコンセプトなのだそうだ。この主義主張には大いに賛同できる。だから、今、順次、ウェブサイト「ファンタジィ事典」をNotoフォントに対応させている。ミャンマー文字を印字するためにMyanmar3フォントを、アヴェスター文字を印字するためにAhuramzdaフォントを、楔形文字を印字するためにAkkadianフォントをわざわざダウンロードしてインストールするのは大変だけれど、Notoフォントのパッケージをダウンロードすれば済むなら、その方が断然、管理が簡単だ。NotoフォントのパッケージはGoogle Noto Fontsからダウンロードできるので、当サイトでは積極的に使っていこうと思っている。
Google Noto Fonts: https://www.google.com/get/noto/
Last update: 2020/04/02