マウン・ポー・トゥ・ナッ

分 類ミャンマー伝承
名 称 မောင်ပိုးတူနတ်(マウン・ポー・トゥ・ナッ)【ミャンマー語】
容 姿トラにまたがった商人の姿。
特 徴お茶を運ぶ旅路にトラに襲われて悪霊になった。商売の守護者。
出 典

マウン・ポ・トゥ・ナッのイラスト

お茶のトレーダー、トラに襲われて死す!?

ミャンマー(ビルマ)は仏教国として知られる一方、今でも根強く土着の精霊信仰が盛んで、今でもさまざまな精霊ナッが信じられている。マウン・ポー・トゥはピンヤ村出身の商人で、アヴァ王朝のミンカウン1世の治世(1401-1422年)にお茶の貿易業を営んでいた。シャン州から大量の茶を運んで戻る旅路の途中でトラに襲われて死に、精霊ナッと化し、商人と商売の守護者になったと信じられている。トラに襲われて非業の死を遂げたはずなのに、マウン・ポー・トゥは死後、精霊となって、鞭を片手にトラに跨った姿で描かれている。

他の37柱の精霊ナッが王朝の関係者であるのに対して、マウン・ポー・トゥは商人である。何故、彼が37柱の精霊ナッの仲間入りを果たして崇拝されるようになったのかは定かではなく、とても謎多き存在である。

《参考文献》

  • 『The Thirty-Seven Nats: A Phase of Spirit-Worship prevailing in Burma』(著:Sir Richard Carnac Temple,1906年)

Last update: 2021/09/30

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