マウン・ミーンピュ・ナッ

分 類ミャンマー伝承
名 称 မောင်မင်းဖြူနတ်màʊɴ mɪ́ɴ bjù naʔ〕(マウン・ミーンピュ・ナッ)【ミャンマー語】
容 姿ラッパや縦笛のような楽器を吹く中年の男性の精霊。
特 徴16世紀のバインナウン王の息子で、ヤシ酒とアヘンの飲み過ぎで死んで精霊と化した。
出 典

バインナウン王の息子、ヤシ酒とアヘンの飲み過ぎで死んで精霊と化す!?

マウン・ミーンピュ・ナッはミャンマー伝承に登場する37柱の精霊ナッの1柱である。精霊ナッの研究をしたR.C.テンプルは、マウン・ミーンピュを16世紀のタウングー朝のバインナウン王(1516-1581年)の息子とし、ヤシ酒の飲み過ぎとアヘンの過剰喫煙で死んで、その後、精霊ナッと化したと説明して、マウン・ミーンピュ・ナッをみゃんあー伝承のバインナウン群に分類している。

一方、他の資料では、マウン・ミーンピュを14世紀のアヴァ朝のミンカウン1世(1373-1421年)の息子のチョウズワ皇太子(1391-1415年)としている。チョウズワはアヴァ朝とペグー朝の40年に亘る戦争の中で勇敢に戦った将軍で、その戦いで死んで、精霊ナッになったとしている。チョウズワの幼名がミーンピュだったことに由来する。

ただし、チョウズワ本人はミーン・チョウズワ・ナッとして37柱の精霊ナッにすでにクレジットされていて重複するので、テンプルの説を採って、マウン・ミーンピュをバインナウンの息子として整理した方がよい気もする。なお、バインナウン王にはものすごい数の妻と子供がいることが知られていて、その名前も多くは知られている。マウン・ミーンピュに該当するような名前はリストの中に見出せない点も留意は必要である(名前の知られない子供も多数いるので、その中にマウン・ミーンピュに該当する存在がいるのかもしれない)。

マウン・ミーンピュ・ナッはラッパや縦笛のような楽器を吹く中年の男性の姿で描かれる。

《参考文献》

  • 『The Thirty-Seven Nats: A Phase of Spirit-Worship prevailing in Burma』(著:Sir Richard Carnac Temple,1906年)

Last update: 2023/03/05

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