マイトレーヤ/弥勒菩薩

分 類仏教
名 称 मैत्रेय 〔maitreya〕(マイトレーヤ)《慈しみから生じたもの》【サンスクリット】
弥勒菩薩(みろくぼさつ)、弥勒如来(みろくにょらい)【日本語】
容 姿衲衣を着た修行僧の姿。
特 徴未来仏。釈迦に続いて悟りを開き、如来になる。
出 典『阿含経』(前4~前1世紀頃)ほか

釈迦に続くのは弥勒!?

弥勒菩薩は釈迦の入滅から56億7,000万年後に現世に降り立って、仏陀になることが釈迦によって予言されている。いわば「未来仏」で、釈迦の教化から漏れてしまった人々を救うとされる。現在は兜率天という場所で、他の仏たちに説法をしながら、どのように人々を救うかを考えている。弥勒菩薩への言及は古く、すでに『阿含経』(前4~前1世紀頃)には名前が登場している。過去七仏として、釈迦以前に悟った者が6名いたと考えられるようになると、人々は、釈迦の次に悟る者についても思いを馳せるようになったと言える。

日本では、平安時代後期は人々が釈迦の教えを忘れる「末法」の時代に入ったとされ、未来への救いが強く求められた。将来やってくる天災や疫病、乱世から人々を救ってくれる弥勒菩薩への関心が高まり、次第に弥勒如来として信仰されるようになった。

マイトレーヤの語源は必ずしも明らかではないが、バラモン教のミスラ、ペルシア神話のミトラ、ギリシア・ローマ神話のミトラースなどの信仰がマイトレーヤの語源になったと考えられている。

布袋は弥勒菩薩の化身!?

中国では10世紀頃、契此(かいし)という僧侶が実在したが、弥勒菩薩の化身とされた。生活に必要なものを全て大きな布の袋に入れていたために「布袋和尚」と呼ばれた。日本では七福神として知られる布袋であるが、布袋像を弥勒菩薩として安置する寺院もある。

また、沖縄には「ミルク神」という神がいるが、東南アジアに広がった弥勒信仰と、沖縄独特のニライカナイ信仰が融合したものである。豊年祭などで、布袋に似た真っ白い面をつけた笑顔のミルク神が歩き回る。

《参考文献》

Last update: 2020/05/26

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