黒駒(クロコマ)
分 類 | 日本伝承 |
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黒駒(クロコマ)【日本語】 | |
容 姿 | 脚首だけが白い毛並みのいい馬。 |
特 徴 | 聖徳太子を載せて空を飛ぶ。 |
出 典 | 『聖徳太子伝暦』(平安時代初期)ほか |
聖徳太子の愛馬、天を駆ける!?
黒駒(くろこま)は天を駆けるという伝説の駿馬で、聖徳太子の愛馬として活躍した。
古代の甲斐国は良馬の産地だったらしい。聖徳太子が馬を求めたとき、諸国から数百匹の馬が届けられたが、その中にカラスのように真っ黒で、脚だけが白い馬がいた。聖徳太子は「これは神の馬だ!!」と、その馬を舎人(とねり)の調使麻呂に飼養させることにした。これが甲斐国から届けられた黒駒であった。
聖徳太子は黒駒を大切に育てさせた。あるとき、聖徳太子が黒駒に跨ると、馬は空へと舞い上がった。黒駒は雲の上を走り、一気に飛鳥(奈良県)から富士山を飛び越えると、信濃国(長野県)に至り、3日後には飛鳥の地へと戻ってきた。しかも、まるで疲れる様子も見せなかったという。
聖徳太子は斑鳩に宮殿を構えていたが、政治の中心地である飛鳥とは20キロくらい離れている。普通に歩いたら片道で6時間は掛かる道程だ。それでも、聖徳太子は毎日、この黒駒に乗って、斑鳩と飛鳥を往復していたので、政務に支障がなかったのだという。
黒駒は非常に忠誠心の強い馬だったらしい。622年に聖徳太子が亡くなると、黒駒は草や水も口にしなくなり、葬儀が終わるまで同行すると、そのまま死んでしまったという。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2014/09/01