寿(ことぶき)
分 類 | 日本伝承 |
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壽〔kotobuki〕(ことぶき)【日本語】 | |
容 姿 | 十二支の動物の合成獣。 |
特 徴 | 姿を写して祀ることで幸福をもたらす。 |
出 典 | 遠浪斎重光『壽と云う獣』(1848-55年)ほか |
幸福をもたらす十二支の合成獣!?
寿(ことぶき)は江戸時代の浮世絵師・遠浪斎重光(えんろうさいしげみつ)が描いた謎の獣である。『壽(ことぶき)と云う獣(けだもの)』(1848-55年頃)として、十二支を組み合わせた獣として描いている。具体的には、ネズミの頭にウサギの耳、ウシの角、ニワトリの鶏冠、ヒツジの髭、ウマのたてがみ、タツの首、イノシシの背中、トラの胴体、サルの前脚、イヌの後ろ脚、ヘビの尻尾が描かれている。この獣を祀れば、その年は厄を免れて、幸せになれるとの説明が付されている。
その後、江戸から明治の浮世絵師・歌川芳虎(うたがわよしとら)も『家内安全ヲ守 十二支之図』の中で、同様の絵を描いている。こちらはネズミの頭、ウサギの耳、ウシの角、ニワトリの鶏冠、ヒツジの髭、ウマのたてがみまでは同じで、タツは首にまとわりつく火焔で表現され、前脚がイヌ、後ろ脚がイノシシ、背中がトラ、そして尻尾はヘビの頭がついている。
この不思議な獣の姿を写して祀ることで幸福がもたらされると信じられている。
《参考文献》
Last update: 2023/10/07