十二様(じゅうにさま)

分 類日本伝承
名 称 十二様(じゅうにさま)【日本語】
容 姿不明。
特 徴山の神。豊穣や安産を司る。
出 典

十二様、山から降りてくる!?

十二様(じゅうにさま)は日本伝承の山の神。福島や群馬、新潟などでは、山の神さまのことを「十二様」と呼んでいて、山仕事をする人々に畏れられた。「十二」というのはおそらく月の数に由来している。また、12柱の子供を生むとも信じられていて、多産や豊穣を司る側面もある。安産を司っている場合もあり、出産に立ち会うとされる場合もある。

十二様は、毎年、冬になると山から降りてきて、稲刈りが終わる頃になると再び山に戻ると信じられた。十二様の通り道で小便をすると祟られて病気になるとも信じられた。オコジョやテン、ヤマイヌなどは十二様の使いとされ、十二様と一緒に祠に祀られることも多かった。山仕事の途中でこれらの使いに遭遇すると、災いに遭うとされ、山仕事を打ち切って山を下りる風習も残されている。また、山中には十二様の木があって、これを伐ったら祟られるため、伐ることが強く戒められた。尾根や沢などにある二股の木が十二様の木だとされることが多い。毎月12日は十二様が山の木を数える日だとされ、伐った木を山に戻してはならないとされた。

『幻想動物事典』によれば、十二様に禁じられた場所に山小屋をつくった男が、山小屋で食事を摂っていたら、毛深い手が屋根の上から伸びてきて、鍋を掴むと、その後、山小屋を押し潰してしまったという。

日本各地に十二所神社や十二社神社と呼ばれる神社があるが、北関東・甲信越を中心にして東日本の山間部に分布するこれらの神社は十二様を祀っているとされる。

《参考文献》

Last update: 2024/09/18

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