遺念火(イニンビー)

分 類日本伝承
名 称 遺念火〔ininbii〕(イニンビー)【沖縄口】
容 姿火の玉。
特 徴死者の遺した念が火になって出現。非業の死を遂げた男女が多い。
出 典

非業の夫婦の遺念が火になって灯る!?

遺念火(イニンビー)は沖縄に伝わる火の妖怪。死者の遺した念が火となって出現する。特に沖縄ではヨーカビーという旧暦8月8日から11日までは厄日とされ、遺念火が出没するという。

多くの伝承では、非業の最期を遂げた男女が一組の火となって出没する。たとえば、首里氏の識名坂では、非常に仲のよい夫婦がいて、妻がいつも商売で遅くに帰ってくるため、夫はそれを毎回、迎えに出掛けていた。2人の仲を妬んだ人が「お前の妻は浮気をして遊び歩いている」とウソを告げ、夫はそれを信じて識名川に身を投げた。それを知った妻も身を投げた。それ以来、2つの遺念火が出現するという。名護市でも類似の話があり、仲の良い夫婦がいた。妻がいつも仕事から帰ってくるのが遅いため、夫は妻の不貞を疑い、変装して襲い掛かった。妻はかんざしで男の喉を突き刺した。夫の死を知った妻も自害した。こうして2つの遺念火が出没するという。同じ名護市には、山の中で人目を忍んで密会する男女がいた。ある暴風雨の日、男はこの天気では女は来ないと山へ行かなかったが、女は男に会いにやってきた。そして、男が来ないことを知って自害した。それを知った男も自害し、山頂に2つの遺念火が出没するようになったという。

《参考文献》

Last update: 2020/05/02

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