骨女(ホネオンナ)

分 類日本伝承
名 称 骨女(ホネオンナ)【日本語】
容 姿骸骨の女性。
特 徴恋する男のところに通う化け物。
出 典鳥山石燕『今昔画図続百鬼』「晦」(1779年)

逢瀬を重ねた相手は骸骨の女でした!?

骨女(ホネオンナ)は鳥山石燕の妖怪画集『今昔画図続百鬼』中之巻「晦」に載っている妖怪。骸骨の姿をした女性の妖怪として描かれている。「御伽ばうこ」に、年を取った女の骸骨が、牡丹の柄の入った提灯を持って、生前に恋していた男性の家に通って男性と交わるという話があるという解説が付されている。

鳥山石燕の描いた「骨女」

骨女 これハ御伽ばうこに見えたる年ふる女の骸骨、牡丹の灯籠を携へ人間の交をなせし形にして、もとハ剪灯新話のうちに牡丹灯記とてあり

(鳥山石燕『今昔画図続百鬼』「晦」より)

浅井了意がまとめた全13巻の奇談集『伽婢子』(1666年)には「牡丹灯籠」という怪談が収められている。妻を亡くして失意の萩原新之丞という男性は、あるとき、美女の弥子と出会って、毎晩のように情事を交わす。弥子は明け方になると帰っていく。ところが、それを不審に思った老人が、あるとき、部屋の様子を覗き見ると、新之丞と骸骨が抱き合っていたという。老人からこの話を聞かされた新之丞は恐ろしくなり、聞かされていた素性を頼りに彼女の住み処を探すと、彼女の墓を発見する。そして、東寺の僧侶に助けを求め、僧は新之丞の家の門に魔除けの札を貼った。以降、弥子は現れなくなった。しかし、しばらくして女が恋しくなった新之丞は酔って女の墓の近くを訪れた。すると、そのまま弥子と再会して戻ってこなくなった。みんなが探しにやってくると、新之丞は女の墓の中で白骨死体になっていたという。

この話に登場する弥子を鳥山石燕は「骨女」として描いたのであろう。

《参考文献》

Last update: 2021/03/04

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