グシオン
| 分 類 | 魔法書文献 |
|---|---|
|
Gusion（グシオン）【ラテン語】 | |
| 容 姿 | 犬頭を持った悪霊。 |
| 特 徴 | あらゆる質問に答える。 |
| 出 典 | 『レメゲトン』「ゴエティア」（17世紀頃）ほか |
犬頭の悪霊、全てを語る！？
グシオンはソロモン王が使役したとされる72匹の悪霊の１匹で、魔法書『レメゲトン』「ゴエティア」の11番目に名前を挙げられている。この魔法書はソロモン王が記したものとされ、さまざまな地獄の悪霊たちを呼び出す方法が書かれている。それによれば、グシオンは地獄では公爵の位にいて、40個の悪霊の軍団を率いている。その姿については「クセノピルス」のような姿と説明されているが、よく分からない。一般に中世博物誌に登場する犬の頭を持ったキュノケパロス族のことだとされ、犬の頭部を持った悪霊だと解釈されている。この悪霊は、過去・現在・未来に通じていて、術者が望むあらゆる問いかけに答えてくれるという。
『レメゲトン』「ゴエティア」に描かれるグシオン
17世紀頃には成立していたと考えられている中世の魔法書『レメゲトン』の第１部「ゴエティア」にグシオンの記述がある。「ゴエティア」はソロモン王が使役したという72匹の悪霊について、その召喚の手順を具体的に記したもので、必要な呪文や魔法陣、72匹の悪霊たちのそれぞれの能力や紋章（シジル）、召喚に際しての注意事項などが書かれている。「ゴエティア」ではグシオンは11番目に紹介されている。
GUSION.--The Eleventh Spirit in order is a great and strong Duke, called Gusion. He appeareth like a Xenopilus. He telleth all things, Past, Present, and to Come, and showeth the meaning and resolution of all questions thou mayest ask. He conciliateth and reconcileth friendships, and giveth Honour and Dignity unto any. He ruleth over 40 Legions of Spirits. His Seal is this, the which wear thou as aforesaid.
グシオン：序列で11番目の悪霊は偉大にして強力な公爵で、グシオンと呼ばれている。彼は「クセノピルス」のようなすがたで出現する。彼は過去、現在、そして未来のあらゆることを語り、術者のあらゆる問いかけの意味するところと解決を示す。彼は友情を取りもち、そして仲直りさせ、誰に対しても栄誉と威厳を与える。40個の悪霊の軍団を率いている。彼の紋章はこれで、前述のとおり、身につける。
（メイザース＆クロウリー『ゴエティア』より）
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』（著：草野巧，画：シブヤユウジ，新紀元社，1997年）
Last update: 2020/04/14
