グレート・レース・オブ・イース

分 類クトゥルフ神話
名 称 great race of Yith(グレート・レース・オブ・イース)《イースの大いなる種族》【英語】
容 姿不明。他の生命体の精神に寄生する。太古に地球の円錐体生物に寄生した。
特 徴時空を超えて他の生命体と精神を交換して肉体を乗っ取る。
出 典ラヴクラフト『時間からの影』(1963年)ほか

時空を超えて他の生命体の精神に寄生する謎の生命体!?

イースの大いなる種族は、クトゥルフ神話に登場する生物。6億年前に、イースと呼ばれる滅亡しつつある銀河の彼方から地球に来訪した。精神寄生体で、実体を持たない。ラヴクラフトの『時間からの影』(1963年)の作中では、ミスカトニック大学のナサニエル・ウィンゲイト・ピースリー教授がイースの大いなる種族と接触している。

イースの大いなる種族は、別の生命体と精神を交換することができる特殊能力を持っている。しかも、その能力は時空を超えることができ、自らの精神を遥か遠い別の銀河系の生命体に投影したり、未来や過去の生命体にも投影できる。このことから「大いなる種族」と呼ばれている。

イースの大いなる種族は、他の生命体と精神を交換すると、その肉体を介して知識を得る。そして、再び元の身体へと戻る。その際、相手の生命体は、イースの大いなる種族の肉体で過ごしたときの記憶は抹消され、記憶喪失のような状態になるが、断片的に記憶が残ることもある。

ちなみに、イースの大いなる種族が本来、どんな姿をしているのかは分かっていない。彼らは、およそ6億年前から1万年前までオーストラリア大陸に棲息していたとされる巨大な円錐体生物と精神を交換して地球にやってきたため、そのときに肉体を乗っ取った円錐体生物の姿で描かれることが多い。

この円錐体生物は、高さ3メートルほどの円錐体で、底部は直径が3メートルほどで、虹色の鱗に覆われている。底部は軟体動物のように這って移動する。円錐形の頂部からは伸縮自在の円筒の器官が4本生えていて、2本は先端にハサミがついている。1本は先端に赤いラッパ型の摂取口が4つあり、残りの1本には頭部がついていて、眼が3つ並ぶ。頭部からは細い4本の聴覚器官が上に伸び、下には8本の触手が伸びている。なんとも不思議な姿である。彼らは胞子で単為生殖する植物のような生命体だという。

《参考文献》

Last update: 2023/08/20

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