グラン・デュー・デ・セファール

分 類サイエンス・フィクションアフリカ伝承
名 称 grand dieu de Séfar(グラン・デュー・デ・セファール)《セファールの巨神》【フランス語】
容 姿3本の角(あるいはアンテナ)をはやした巨人。
特 徴宇宙人。アルジェリアのセファールの岩絵に記録。周囲の人々に拝まれている。
出 典デニケン『未来の記憶』(1968年)ほか

人々に崇められる巨大な宇宙人!?

アルジェリアのタッシリ・ナジェール(Tassili n'Ajjer)には多数の岩絵が残されている。古いものでは紀元前6000年~前4000年で「狩猟の時代」を表したもので、多数の獣とそれを狩る人間たちが描かれている。現在のアルジェリアは砂漠地帯だが、当時は緑の茂る豊かな時代だったことが分かる。その後、ウシの時代(前4000年~前2000年)、ウマの時代(前2000年~前200年)を経て、前200年以降が最後のラクダの時代である。この頃には、現在のように、この地は砂漠になっている。

さて、「狩猟の時代」の岩絵の中には、角を生やした巨人や宇宙人ようなものが描かれている。セファールという場所で岩絵を発見したアンリ・ロートは、これを「grands dieu de Séfar(グラン・デュー・デ・セファール)《セファールの巨神》」と呼んだ。日本では「セファールの白い巨人」と呼ばれて親しまれている。

「セファールの白い巨人」は、3本の角(あるいはアンテナとされることもある)を生やし、力こぶを持ったシルエットで描かれている。一緒に描かれている人や獣よりも少し大きく描かれている。また、人々が取り囲んで拝んでいるようにも見えるため、「巨神」と表現されている。一般には、これは仮面をつけて宗教儀式を執り行うシャーマンではないかと説明される。

セファールから南に20kmくらい行ったジャバレンでは、ロートが「grand dieu martien(グラン・デュー・マーシェン)《火星の巨神》」と呼んだ宇宙服を着たような生き物の岩絵も発見されており、しばしば、これらの岩絵が、古代に宇宙人が地球にやってきて、古代人を支配していたと証拠だと説明される。特にスイスの作家エーリッヒ・フォン・デニケンが『未来の記憶』(1968年)の中でこれらの岩絵をセンセーショナルに取り上げて、注目された。

《参考文献》

  • 『サハラ、砂漠の画廊 タッシリ・ナジェール古代岩壁画』(著:野町和嘉,新潮社,2010年)
  • 『世界怪奇スリラー全集 2 世界のモンスター』(著:山内重昭,秋田書店,1984年)
  • 『タッシリ遺跡 サハラ砂漠の秘境』(著:アンリ・ロート,訳:永戸多喜雄,毎日新聞社,1960年)

Last update: 2022/09/18

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