経立(フッタチ)

分 類日本伝承
名 称 経立(フッタチ)【日本語】
容 姿
特 徴サルやニワトリなどの獣が長く生きて霊力を得た魔物。
出 典柳田國男『遠野物語』(1910年)ほか

獣たちは長生きすると化ける!?

経立(フッタチ)は青森県や岩手県に存在する妖怪。非常に長く生きたサルやニワトリ、オオカミや魚などの獣たちは霊力を得て妖怪に変化すると信じられた。

サル、長く生きて経立に!?

柳田國男『遠野物語』にもサルの経立の記述がある。岩手県の釜石市では、体毛を松脂(まつやに)と砂で鎧のように固めていて、銃弾が通じず、人間の女性を人里から攫うという。子供を脅かすために「サルの経立が来る」という表現もある。

ニワトリも経立になって逆襲する!?

同じ岩手県の岩泉町では、雌のニワトリが経立となって、人間たちに自分の卵を食べられることを怨み、飼い主の家に生まれた子供たちを次々に殺したという。

鱈までもが化ける!?

魚も経立になるという。ある村の家の娘のところに毎晩、美男子が通い、村人が怪しんで、小豆を煮た湯で男の足を洗うように言い、娘がそのようにすると、男は気分が悪くなって帰り、翌朝、海辺に大きな鱈(タラ)が死んでいて、鱈が経立になったと信じられたという。

《参考文献》

Last update: 2021/02/06

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