コケーナ

分 類南米伝承
名 称 Coquena(コケーナ)【スペイン語】
容 姿小柄な妖精。ヒツジの頭皮でつくった帽子をかぶり、長い鞭を持つ。
特 徴家畜を守護する。各所で採掘した金銀を家畜に運ばせ、蓄えている。銃を嫌う。
出 典

アンデス山脈の金銀を家畜に運ばせる金持ち妖精!?

コケーナはアルゼンチンやチリに伝わる家畜を守護する妖精。アンデス山脈では、アルパカやリャマ、ビクーニャなどのラクダ科の家畜が重宝され、食料としても毛皮としても利用されている。コケーナはこれらの家畜を守護する妖精だと信じられている。ヒツジの頭皮でつくった帽子をかぶった背の低い妖精で、口笛を吹き、コカの葉を噛んで、山々を見回っている。そして、長い鞭を操って、家畜の群れを移動させている。先頭の1頭には金の鈴が掛けられているという。コケーナは、秘密の場所で採掘した金銀を、伝説の鉱山「セロ・リーコ」まで運ばせているのだという。そのため、コケーナはたくさんの金銀を持っていると信じられている。

アンデス山脈では、野生のアルパカやリャマを捕まえるときには、ボレアドーラスという特別な狩りの道具(2つの石を縄で繋いだもの)を用いる。これは、コケーナが銃を嫌い、銃を使った人間を攻撃し、ときには二度と戻れない峡谷に連れ去ると信じれているからである。反対に、動物を大切にする人間には、褒美として金貨をくれることもあるという。

《参考文献》

  • 『南米妖怪図鑑』(文:ホセ・サナルディ,画:セーサル・サナルディ,ロクリン社,2019年)

Last update: 2021/09/25

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