カアーポラ

分 類南米伝承
名 称 Caapóra (カアーポラ)【グアラニー語】
容 姿巨大な精霊、あるいは背の低い男性の精霊。猪にまたがる。
特 徴森の動物たちの守護者。またはマテ茶の守護者。
出 典

森の動物たちを守護する精霊!?

カアーポラは南米アルゼンチンやパラグアイのグアラニー族に伝わる森の妖怪的な存在だが、実のところ、地域によって実態が異なる。ブラジル南部のリオグランデ・ド・スル州では女性の幽霊だとされ、アルゼンチン北東部のメソポタミア地方では男性の姿だとされる。しかし、いずれの場合でも巨大な姿として描かれ、森の動物たちの守護者的な存在である点は同じである。気に入った狩猟者(ハンター)には獲物を与えてくれる一方で、カアーポラを怒らせると、ハンターから獲物を逃がしてしまうため、狩猟は収穫なく終わってしまうという。また、山で雨が降ったリ、霧が出たりするのも、カアーポラの仕業とされる。森の中で道に迷わされることもあるという。しばしば、ペッカリーというイノシシにまたがって森の中を移動する姿が目撃されている。

さらに『南米妖怪図鑑』では、マテ茶の原材料となるイェルバ・マテの畑の番人として紹介されている。アルゼンチン北東部に伝わるとされるが、こちらのカアーポラは巨人ではなく、わら帽子をかぶった背の低い男性の姿をした精霊として想像されているようだ。イェルバ・マテの木で作られた槍を持ち、常に畑を見回り、木を乱暴に扱ったり、必要以上に茶葉を収穫したり、仕事を怠けたりする人間がいれば、槍を投げてくる。槍が刺さればあまりの痛みにしばらく働けなくなるが、当たり所が悪いと身体が不自由になるとされる。

地域によってさまざまな性質を備えているが、いずれにせよ、森や畑などの自然の守護者的な存在であることは間違いがなさそうだ。

《参考文献》

  • 『南米妖怪図鑑』(文:ホセ・サナルディ,画:セーサル・サナルディ,ロクリン社,2019年)

Last update: 2022/01/09

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